2003 Fiscal Year Annual Research Report
質的研究法に基づく算数・数学科授業改善システムの開発
Project/Area Number |
15500580
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大谷 実 金沢大学, 教育学部, 助教授 (50241758)
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Keywords | 授業改善 / 質的研究法 / 算数・数学科 |
Research Abstract |
本研究は,算数・数学科の授業改善システムの開発と評価に,「質的研究法」という新しい視点を組み入れるため,(ア)小学校算数科と中学校数学科の研究授業を計画し,(イ)質的研究法を取り入れた研究授業を実施した. (ア)に関しては,国内外の研究授業に関する理論及び実地・調査研究ならびに,現場教師との共同による質的方法に基づく研究授業の計画した.国内の理論研究としては,中村光一氏(上越教育大学)の研究並びに米国ミシガン大学のマクダリン・ランパート氏の研究論文を文献学的に考察し,質的方法論の視点を得た.現場教師との共同研究として,羽咋郡志雄町の小学校第6学年と河北郡宇ノ気町の中学校第1学年を研究対象として設定し,研究授業を計画した. (イ)の課題に関して,質的研究法を取り入れた算数科と数学科の研究授業を試行した。1つの単元の授業データについて,導入期・中間期・終了期の3回程度,質的研究法はもとづいて分析した。分析の際に,研究代表者が,質的データを用いた分析方法の模範を示し,通常の研究授業での分析スタイルとの相違を明らかにすることに主眼を置いた.単元は,3学期にかけて実施される「比例」を取り上げた. 本研究を通して,小学校と中学校の算数・数学の教師が,授業の質的データの分析に参加することで,普段の授業において暗黙的に実践されている授業行為が顕在化することができた.
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Research Products
(1 results)