2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500593
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
國本 景亀 高知大学, 教育学部, 教授 (10144792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 信也 熊本大学, 教育学部, 教授 (20145402)
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Keywords | 全体論的数学教育 / 生命論 / 本質的学習場 / 生産的練習 / 全体論的アプローチ / 数王国への探険旅行 / 操作的原理 / 相補性 |
Research Abstract |
(1)全体論では、問題解決能力の育成と技能の習得・習熟を切り離して指導しない。そのための教材(本質的学習場)を収集し、開発するとともに、その実験授業を行った。本質的学習場として、「連続する数の和として数を表す」や「隠れた九九」などがあり、それらに関して、小学校5,6年を対象に実験授業を行った。前者の実験授業では、子ども達はパターンを見つけることを楽しみ、そのパターンを利用して、問題解決(45を連続する数として表す)も行った。5年生よりも6年生の方が問題を理解する点やパターンを利用する点などから適切であることがわかった。「隠れた九九」は5年生で実験授業を行った。子ども達は、パターンを発見したが、その説明(図的証明)は十分理解しなかった。小学校であっても、普段から、事実の発見があればそれを説明する(言語よりも行動や図で説明する)という態度の育成が重要と考えられる(國本)。 (2)山本と藤田はドイツのプロジェクト「mathe 2000」に参加し(2004.9.24)、「折り紙で作る星形」に関する研究を発表した。好評を得、地元の新聞にも掲載された(山本、藤田)。 (3)ドイツのビットマン氏が来日し(2004.11/11-21)、奈良、広島、岡山で講演された。それぞれの会に参加し、全体論(生命論)の理念やそれを実現する教材を収集できた(國本、山本)。これを機会に、日本でも全体論に立つ数学教育が認知され、徐々に実践されつつあると思われる。 (4)ビットマン氏らの著書"Jenseits von PISA Bildungsreform als Unterrichtsreform"(國本/山本訳『PISAを乗り越えて:生命論的観点からの改革プログラム 算数・数学 授業改善から教育改革へ』:東洋館出版社)が翻訳・出版できたこどは大きな収穫であった。
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Research Products
(5 results)