2004 Fiscal Year Annual Research Report
物理理論を実感できる手づくり体験型展示物の研究・開発
Project/Area Number |
15500604
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Research Institution | National Science Museum |
Principal Investigator |
金子 俊郎 国立科学博物館, 学習推進部, 主任教育普及官 (30332125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 義和 国立科学博物館, 経営管理部, 経営計画室長 (60233433)
岩崎 誠司 国立科学博物館, 学習推進部, 教育普及官 (90259995)
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Keywords | 手づくり体験型展示物 / 物理理論 / 教育的効果 / 科学体験教室 |
Research Abstract |
平成16年度は物理理論に関する手づくり体験型展示物の本製作を行なうとともに、完成した手づくり体験型展示物の他科学博物館への貸し出しを実施し物理理論の教育的効果のアンケート調査を行なった。利用者が多い時期での手づくり展示物の展示を行ない、その耐久力と動作の安定度を調べて問題点の改善を行なった。また、その展示物に関する物理理論の教育的効果のアンケート調査を行なうとともに、科学体験教室における物理理論の教育的効果のアンケート調査を実施した。それらの要旨は以下の通りである。2年間の研究成果については報告書にて公開した。 (1)手づくり体験型展示物の本製作を行なうに当たっては試作段階で使用していた小鉄球をビリヤード球に替えて開発を行なう方針としたが、球の直径と質量が大きくなったことにより新たな発射装置の開発等多くのアイデアが必要となった。 (2)完成した手づくり体験型展示物を千葉県立現代産業科学館に貸し出しをおよそ1ヶ月間行い物理理論の教育的効果のアンケート調査を行なったが、物理理論の理解度に小学4年生を境目に大きな差があることが明らかになった。 (3)利用者が多い時期での手づくり体験型展示物の展示を行なった結果、事前テストでは現れなかった振動によるトラブルを試行錯誤しながら克服することができた。また、試作展示の段階から問題となっていた不安定な動作の原因が明らかになり手づくり体験型展示物の利用上の注意の一つに加えることにして解決した。一方、子どもたちが参加体験型展示物の積極的な利用をするということはその展示物が壊れるのを早めることでもある。このことについて覚悟はしていたが参加体験型展示物の今後のあり方について課題を残した。 (4)今年度実施した物理分野での科学体験教室(国立科学博物館学校等出前講座)におけるアンケート調査から、ものづくりにおいて子どもたちができるだけ簡単に製作できる工夫をして成功させることは学ぶ意欲を高め物理理論の教育的効果に大きな影響があることが明らかになった。どんなプログラムが物理理論の理解に効果があるのかについてのさらなる研究が今後の課題である。
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Research Products
(1 results)