2003 Fiscal Year Annual Research Report
水質評価指標および閉鎖系水域の水質浄化を主題とした環境教育プログラムの開発
Project/Area Number |
15500606
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Research Institution | Osaka Prefectural Education Center |
Principal Investigator |
橘 淳治 大阪府教育センター, 科学教育部, 研究員兼指導主事 (10359292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上角 隆亮 大阪府教育センター, 科学教育部, 研究員兼指導主事 (20342975)
江坂 高志 大阪府教育センター, 科学教育部, 主任研究員 (30150238)
山本 勝博 大阪府教育センター, 科学教育部, 主任研究員 (60250263)
小山 修平 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00112540)
藤岡 逹也 上越教育大学, 教育学部, 教授 (10311466)
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Keywords | 水質評価指標 / 閉鎖系水域 / 水質浄化 / 環境教育 / ニューラルネットワーク / 自己組織化マップ / 水質分析 / 教員研修 |
Research Abstract |
水を題材とした環境教育は以前から行われてきたが、水質調査を伴う環境教育の実践では、汚濁の程度を的確に示す水質評価指標が1つに絞ることができず、調査や分析が繁雑になり先に進めないという技術論的な問題が障害となることがしばしばあった。本研究では、その問題を解決すべく、ニューラルネットワークの手法を用いて自然界の複雑な非線形問題の解(水質評価指標)を求めることに主眼をおいた。 平成15年度は、大阪府内のため池を主とする閉鎖系水域の水質調査を実施し、水質汚濁の現状を把握すると共に、古典的な多変量解析と自己組織化マップおよびファジークラスタリングの手法を組み合わせた水質データの解析により水質評価指標を見いだす取組みを行った。 調査した大阪府内のため池の多くは窒素・リンの現存量が高く環境保全目標や農業用水の水質基準を達成していないものが多く、また、藻類の異常増殖(いわゆる水の華の発生)が見られるものがあった。富栄養化の指標として古くから用いられている窒素、リン、クロロフィルと、これらの解析法によって関係が認められた指標としてはCOD、BODのほか濁度があった。弱い関係ではあるが水色やにおいなど測定の容易な指標もあった。また、水質浄化に貢献するものとして、ヨシなどの抽水植物帯の存在、石積み護岸の存在などがあった。 これらの結果をもとに教育センターの教員研修において、学校で取り扱いやすい濁度、水色、におい、CODなどを水質評価指標とした水質浄化を主題とする環境教育や理科教育に関する研修を実施した。 平成16年度は、本研究を発展させ、より的確で容易な水質評価指標を見いだすと共にこの指標を用いた水質調査や水質改善に関する環境教育プログラムの構築とその授業実践、授業分析と評価を行う予定である。
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Research Products
(1 results)