2004 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚障害者の英語学習のための手話教材開発に関する研究
Project/Area Number |
15500647
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Research Institution | Tsukuba College of Technology |
Principal Investigator |
松藤 みどり 国立大学法人筑波技術短期大学, 障害者高等教育センター(障害者基礎教育部門), 助教授 (30271464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 達也 国立大学法人筑波技術短期大学, 障害者高等教育センター(障害者基礎教育部門), 助手 (70331303)
大塚 和彦 国立大学法人筑波技術短期大学, 電子情報学科電子工学専攻, 助手 (80331304)
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Keywords | 英語 / ASL / 交流 / 相互作用 / 字幕 / 視覚的刺激 |
Research Abstract |
前年度に訪問したフィリピン・キャップカレジにおける英語の授業を撮影したビデオをもとに、授業中にフィリピン手話で提示された情報を英語の文字に書き起こす作業をして、情報の質・量・方向性を把握した。その結果、情報量は必ずしも多くはないが、教師と学生の相互作用および学生同士の相互作用が多く、確実にコミュニケーションがとれている実態がわかった。 日本の一般大学で行われているアメリカ人講師による講義の情報と比較するために、筑波大学第二学群における英語の授業を継続的に撮影した。撮影したビデオのうち3時間の講義には、話された内容のすべてに英語の字幕を挿入し、筑波技術短期大学の学生にもその一部を見せた。このビデオに良好な反応を示した学生は、聾学校ではなく一般の高等学校から進学した学生のうち、比較的学力の高い学生たちであった。 11月と2月にフィリピンのデラサール大学、3月にアメリカのNTIDの学生と筑波技術短期大学の学生が交流する機会があり、事前学習としてアメリカ人聾者のASLの授業を学生とともに受講した。授業の進み方はゆっくりで情報量も少なかったが、聾の学生は習ったことを確実に身に付け、他大学の学生と交流することにより、語彙を獲得してゆく様子がわかった。交流に必要な語彙や交流で身につけた語彙を学生から収集して、辞書作りの基礎資料に加えることができた。 聴覚障害者の言語獲得には、単に音声を文字化するというような聴者の学習形態を模倣するのではなく、手話も含めた視覚的刺激を有効に使うことが効果的であるという確証を得た。
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