2005 Fiscal Year Annual Research Report
冷戦初期の旧ソ連邦における科学者の思考と行動に関する歴史的実証研究
Project/Area Number |
15500659
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
市川 浩 広島大学, 総合科学部, 教授 (00212994)
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Keywords | 旧ソ連邦 / 冷戦 / 科学者 / 軍事研究 / スターリン体制 / 物理学 / 数学 / 工学 |
Research Abstract |
研究代表者は平成17年9月10日〜9月24日の間、ロシア連邦モスクワ市において、史料調査を実施した。現地では、ロシア科学アカデミー・S.I.ヴァヴィロフ名称自然科学史=技術史研究所の協力をえて、ロシア国立社会=政治史文書館、および、ロシア科学アカデミー文書館で史料調査に従事し、前年度において探究を深めた課題である、科学者内部の確執の背景となった戦時下・終戦直後の科学者をめぐる物質的条件をより深く探るべく、戦時下における科学アカデミーのカザン市などへの疎開(とくに物理学研究所のそれ)の影響を重点的に調べ、貴重な一次史料の発掘に成功した。 また、二次資料ながら、現地、および国内で本補助金により購入した図書資料の多くが貴重な研究情報源となるものであった。 研究成果の発表については、平成16年度は、上記資料の分析のうえに、論稿[市川浩「ソ連邦科学アカデミー・物理学研究所のカザンへの疎開(1941〜1943年)」]を執筆し、日本科学史学会の学会誌『科学史研究』に投稿し、現在、査読を受けている過程にある(同誌編集委員会名2006年1月17日付受理証明.受付番号2507)。
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Research Products
(2 results)