2004 Fiscal Year Annual Research Report
中世におけるイスラム天文学のアラビア語およびラテン語文献の研究
Project/Area Number |
15500663
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
山本 啓二 京都産業大学, 文化学部, 助教授 (60329927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 道雄 京都産業大学, 文化学部, 教授 (40065868)
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Keywords | カビースィー / アルカビティウス / ファルガーニー / 占星術史 / 天文学史 |
Research Abstract |
昨年度で終了したアル=カビースィーの『占星術入門』の校訂および英語訳作業に引き続き、16年度は「占星術師資格諮問」(The treatise on the testing of those who call themselves astrologers)の校訂と英語訳を中心に研究を行なった。アラビア語テキストの一部に不明な点がいくつか残ったが、大体においてテキストと英語訳が終了した。特に、序文部分はもっとも興味深い内容であるにもかかわらず、判読しにくい1種類の写本しか存在しないために、完全にそれを解明することはできなかった。しかし、アル=カビースィーを通じて、大筋においては当時の天文学者・占星術師の基本的な考え方を捉えることができたと思われる。 同著者の「惑星の距離と大きさについて」(Treatise on distances and bodies)という論文については、アラビア語テキストの校訂のみがほぼ完成している。これは明らかにプトレマイオスの『アルマゲスト』に基づいた小論であり、写本に見られる図も、『アルマゲスト』のものとほとんど同じであることがわかった。 最後に、9世紀の天文学者アル=ファルガーニーの「天文学綱要」に対するアル=カビースィーによる注釈については、ひとつしかないアラビア語写本(Istanbul, Ayasofya 4832)の状態が悪く、校訂作業を十分に進めることができなかった。しかし、基本的なテキストはすでにコンピュータに打ち込んであり、今後別の資料などを利用することによって、完成にいたることを期待したい。またアル=ファルガーニーの著作自体も写本によってバリエーションが大きく、アル=カビースィーの注釈以前に、まずアル=ファルガーニーの著作の校訂を行なう必要性が出てきた。
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Research Products
(3 results)