2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500673
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Research Institution | History Museum of Hokkaido |
Principal Investigator |
小林 幸雄 北海道開拓記念館, 学芸部, 研究員 (10113466)
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Keywords | 彩色土器 / 漆 / 赤色顔料 / 縄文文化 / 朱 / ベンガラ / 素地調整 |
Research Abstract |
縄文文化に登場する彩色土器は、土器製作に加えて、漆などに代表される膠着材や赤色顔料などの素材や工程に関わる技術体系を高度に具現化したものであり、その技術体系に関する知見は、縄文の人々の生活や文化を復元するためには極めて有効である。本研究では、主に北海道の彩色土器について、従来の集成的研究を基礎にするとともに、同時に自然科学的な立場から、微小片試料をもとにして、その構造や材質など製作技法上の調査をおこなうものである。平成15年度には、関係資料のデータベース化を進めるために、北海道内資料とあわせで新潟県と石川県の関係資料の実見とその記録化に努めた。あわせて、八雲町野田生1遺跡、千歳市キウス4遺跡出土の彩色土器については、微小片試料を採取して、自然科学的手法による検討を加えることでそれぞれの材質・技法的特質を明らかにした。本年度の成果については、下記の内容で公表した。 (1)学会、研究会発表/(1)北海道考古学会研究発表大会(4月26日、札幌市):「北海道における縄文時代の出土漆器〜技術的に検討する立場から〜」小林幸雄、(2)文化財修復学会(6月7日、京都市):「北海道八雲町野田生1遺跡出土赤色漆塗り竪櫛の製作技法」小林幸雄、種市幸生、田口尚、(3)2003日本文化財科学会公開講演会「考古学の最前線〜科学が語る北海道の古代〜」(11月15日、札幌市)、:「漆膜にさぐる縄文人の工芸技術」小林幸雄 (2)普及/(1)北海道開拓記念館2003移動博物館「北海道のうるし文化」:8月26日〜8月31日上ノ国町開催、9月5日〜9月10日南茅部町開催
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 小林幸雄: "北海道における縄文時代の出土漆器〜技術的に検討する立場から〜"北海道考古学会2003年度研究大会研究発表要旨集. 8-21 (2003)
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[Publications] 小林幸雄, 種市幸生, 田口尚: "北海造八雲町野田生1遺跡出土赤色漆塗り竪櫛の製作技法"文化財保存修復学会第25回大会研究発表要旨集. 20-21 (2003)
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[Publications] 小林幸雄: "恵庭市カリンバ3遺跡出土漆製品の材質と技法"北海道恵庭市発掘調査報告書 『カリンバ3遺跡(1)』. 315-324 (2003)
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[Publications] 小林幸雄: "縄文時代の漆櫛"北海道開拓記念館館内研究報告会6月例会配付資料. 1-4 (2003)
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[Publications] 小林幸雄: "漆膜にさぐる縄文人の工芸技術"2003日本文化財科学会公開講演会「考古科学の最前線」. 30-35 (2003)
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[Publications] 小林幸雄, 上屋真一: "北海道恵庭市カリンバ3遺跡出土の赤色漆塗り竪櫛の製作技法"日本文化文化財科学会21回大会研究発表要旨集. (2004)
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[Publications] 小林幸雄, 舟山直治, 他: "北海道開拓記念館2003移動博物館「北海道のうるし文化」"北海道開拓記念館. 20 (2003)