2003 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄物・リサイクル資源フローと処理・リサイクル施設配置に関する経済地理学的研究
Project/Area Number |
15500686
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
外川 健一 九州大学, 石炭研究資料センター, 助教授 (90264118)
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Keywords | 廃棄物 / リサイクル / 循環型社会 / 使用済自動車 / 静脈産業 / 拡大生産者責任 / エコタウン / 迷惑施設 |
Research Abstract |
香川県の豊島や青森・岩手の山岳地域を舞台とした戦後最大級の産業廃棄物不法投棄事件への対応、さらにはゴミ焼却施設から排出されるダイオキシン等に代表される化学物質に関するリスクが懸念される中、廃棄物問題は社会的に一層関心をひくようになってきている。このような社会背景の下、少しでも低コストでの処理・リサイクルを求めて、廃棄物の広域移動が、県境を越えて、場合によっては国境を越えて観察されるようになってきている。そしてその移動は排出される副産物・廃棄物の種類に応じて、様々な空間スケールで重層的に行われている。その具体的な様相とそれを成立させるメカニズムの解明という経済地理学上の研究課題が、本研究の目的である。本研究ではまず「廃棄物問題への経済地理学的接近」というテーマで、これまで日本の経済地理学、とりわけ地域構造論において環境問題・廃棄物問題がどのように捉えられてきたのかを概観した。その上で現代の日本において「循環型社会推進」というスローガンの下、徐々に整備されつつある静脈インフラの特質についてスケッチした。その詳細な検討は次年度以降の課題である。なお今年度は使用済み製品の処理・リサイクルのインフラ整備という観点で、自動車リサイクルをテーマに、自動車リサイクル法に先行して施行されているフロン回収・破壊法に伴う各種インフラ整備の状況を考察した。その結果この新しいシステムでは、「拡大生産者責任」という政策公準の下、自動車メーカー等による静脈ビジネスへの進出を促す仕掛けが多分に見出されることを指摘した。さらに、2001年6月15日に成立した「PCB廃棄物の適正処理の推進に関する特別措置法」に基づいてのPCB廃棄物本格的処理施設の立地について、北九州エコタウンを中心に検討した。 なお、本研究の中間報告書を2004年2月に作成した。
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Research Products
(1 results)