2004 Fiscal Year Annual Research Report
海洋生態系を陽に表現した全球海洋物質循環のモデリング
Project/Area Number |
15510001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山中 康裕 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (40242177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 道郎 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (90214767)
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Keywords | 海洋生態系 / モデリング / 生物多様性 / 地球温暖化 / 物質循環 / 気候変動 / プランクトン / 季節変化 |
Research Abstract |
植物プランクトンと動物プランクトンにそれぞれ亜寒帯グループと亜熱帯グループを陽に表現した海洋生態系モデル(動植物プランクトン9グループ)を用いて、日本近海の代表的な観測3点(亜寒帯海域KNOT, A7,および亜熱帯海域B1)における生態系の振る舞いを再現した。光合成の整理パラメータの水温依存性は、両グループにおいて明瞭な棲み分けを与えるのに対して、亜寒帯から亜熱帯へ徐々に年平均水温を帰る仮想的実験を行った結果は、両グループ共にぼんやりとした棲み分けを示す結果となった。これは、亜寒帯グループは春季ブルームを起こすが夏季は衰退し秋から冬にかけて水温低下と共に生物量を増やし、逆に亜熱帯グループの生物量は夏季に最大となる逆の季節変化を示す。これは、プランクトンの増殖速度・衰退速度が季節変化の時間スケールに比べて素早いことによる。海水温の季節変化は、特定の地点における両グループの(それらの生物量は10〜100倍程度の季節変化を伴った)共生をもたらしており、別の見方をすれば一つのグループがより広い海域に適応させている。 また、1948年から2002年までの経年変動を与えた全球3次元生態系モデルの結果は、観測から知られている1970年代の気候シフトを再現した。経年変動に伴って小型植物プランクトンと大型植物プランクトンのグループ交替が見られ、二酸化炭素交換フラックスも変動する。現在これについて解析中である。
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Research Products
(4 results)