2003 Fiscal Year Annual Research Report
地理情報システム(GIS)を用いた水生生物の生息適地モデルの構築
Project/Area Number |
15510008
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 哲夫 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 助教授 (40244694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三橋 弘宗 兵庫県立人と自然の博物館, 研究員 (50311486)
坂田 宏志 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 助教授 (40301808)
角野 康郎 神戸大学, 遺伝子実験センター, 教授 (90127358)
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Keywords | 地理情報システム(GIS) / 生息適地モデル / 水生生物 / 河川改修 / 堆積環境 / 二枚貝 / タナゴ類 |
Research Abstract |
兵庫県内の水生生物に関する報告書、および地域に死蔵されている兵庫県内の分布情報を地理情報システム(GIS)を用いてデータベース化した。この水生生物の分布データと既存の各種環境情報を重ね合せて解析し、魚類、底生動物、水生植物といった淡水生物の、最も正答率の高い生息適地モデルを現在検討中である。兵庫県のみならず、日本全国の河川において河川改修が広範に実施された結果、河川から堆積環境が消失した。本年度は、その多くが絶滅危倶種にランクアップされている、タナゴ類にまず注目し、堆積環境と流水環境の変節点に特異的に生息し、またタナゴ類の産卵基質である二枚貝の生息適地モデル構築にまず取り組んだ。兵庫県の武庫川上流域は、上流域であるにもかかわらず河川勾配が小さい、河川勾配が小さいことと相まって部分的に狭窄部が存在することで流域に滞留部すなわち堆積部が流域の各所に散在する。まさにこの地点が、これまでのデータベースの解析からイシガイ科の二枚貝の生息地であることが明らかとなった。本年度は、二枚貝のモデルを再検討すると同時に、それ以外の各生物分類群ごとの生息適地モデルを作成し、環境要因との明確な対応関係を明らかにし、GISを用いて既存分布図と生息適地推定図を作成し、妥当性を評価する。 これらの研究成果は部分的に、既に兵庫県の河川整備計画に取り入れられ実施段階に既に移行しつつあり、社会還元が同時に進行している。しかしながら絶滅危倶種である二枚貝、タナゴ類、スナヤツメなどが生息する堆積環境は、同時に河川が氾濫し洪水が頻発する部分であり、河川改修が既に計画され試験施工が始まっている。流域スケールの問題と同時に、河川改修が河川の物理環境に一時的にどのような影響を与えそれに対して水生生物がどう応答するのかの調査も開始した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 田中哲夫, 信本励, 三橋弘宗: "武庫川上流の河川改修前後における淡水魚の特徴"武庫川上流の人と自然(人と自然の博物館総合共同研究報告書). 62-67 (2004)
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[Publications] 三橋弘宗, 田中哲夫, 信本励: "堆積地形に着目したタナゴ類および二枚貝の生息適地評価"武庫川上流の人と自然(人と自然の博物館総合共同研究報告書). 40-43 (2004)