2003 Fiscal Year Annual Research Report
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15510022
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松橋 隆治 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (80229517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 好邦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (30302756)
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Keywords | 京都メカニズム / モンテカルロシミュレーション / ファイナンス / 証券化 / CDMボンド / 排出権 / コンジョイント分析 |
Research Abstract |
「京都メカニズム」を活性化させるためには、技術移転プロジェクトへの投資を分散し、投資対象国や対象プロジェクト毎のリスクを緩和するための制度が有効である。CDMなどの京都メカニズムのファイナンスを証券化することにより、上述した投資の分散が容易になる。この京都メカニズムの証券化の制度設計を詳細におこない、実際の投資家への社会調査を通じて、提案している「排出権付プロジェクト債」(CDMボンド)の市場を分析する。本年度は計画に基づき以下の研究・調査を行った。 (1)NEDOなどの公的機関によって公表されたJI(Joint Implementation:共同実施),CDMなどの実現可能性調査報告書のデータを用いて、多様なCDMプロジェクトのリスクを定量化した。特に、CDMプロジェクトを定量化してCDMボンドを発行した状況において、その債務不履行リスク(デフォルトリスク)を算定するためのモンテカルロシミュレーションモデルを開発した。このモンテカルロシミュレーションにおいては、CDMの認証リスク、ベースラインリスク、為替リスクなどを定量的に考慮できるようなモデルとした。これにより、プロジェクトを実行する対象国(ホストカントリー)や対象プロジェクトの種類によって異なるリスクを定量化した。 (2)各CDMプロジェクト毎のデフォルトリスクに基づく、CDMボンドの格付けを行い、その妥当性を検討し、この格付け毎のCDMボンドのプライシングないしは、イールドスプレッドを算出した。次に、現実の証券市場における格付け推移行列などのデータを用いて、プロジェクト存続期間中の格付けの変化を動的、確率的に推定し、各CDMボンドの総合的な価値および等価利回り率を算定した。 (3)(2)で推定された各CDMボンドの市場性を分析する手法としては、新商品などのマーケテイング手法として定評があるコンジョイント分析を想定している。このコンジョイント分析において、通常の株式、債券と多様なプロジェクト形式のCDMボンドを並列して、仮想の投資商品ラインナップを作成する。CDMボンドのプロジェクト形式としては、植林などのCDM、再生可能エネルギーによる発電などのCDM、鉄鋼業などにおける工場の省エネルギーによるCDMなどの数種類に分類し、プロジェクト形式の相違による投資家の選好の差も分析できるようにする。分析に際しては、1000以上の投資家から集めた選好データを元に、CDMボンドに対する選好関数を最尤法によって推定した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ryuji Matsuhashi, Sei Fujisawa, Wataru Mitamura, Yutaka Momobayashi, Yoshikuni Yoshida: "Study on Effective Institutions to Make CDM projects Viable"Proceedings of the 6th International conference on Greenhouse Gas Control Technologles. 1231-1236 (2003)
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[Publications] Ryuji Matsuhashi, Sei Fujisawa, Wataru Mitamura, Yutaka Momobayashi, Yoshikuni Yoshida: "CDM projects and portfolio risks"Energy. Vol.28(In Press). (2004)
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[Publications] 松橋隆治, 吉田好邦, 油野謙一: "CDMのリスク分析とそのファイナンスに関する研究"エネルギー資源学会第22回研究発表会講演論文集. 11-16 (2003)
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[Publications] 松橋隆治: "京都メカニズムの意義と活用法 本格化する地球温暖化対策-(2)制度編"エネルギー・資源. 24巻5号. 14-19 (2003)
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[Publications] 井原智彦, 半田隆志, 松橋隆治, 吉田好邦, 石谷久: "行列計算を改良した多数室室温計算手法の提案と高反射高放射塗料によるCO2排出削減効果の評価"電気学会論文誌C. 123巻8号. 1493-1502 (2003)
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[Publications] 松橋隆治, 大平純彦, 早見均, 吉岡完治, 鷲津明由: "環境の産業連関分析"日本評論社. 251 (2003)