2005 Fiscal Year Annual Research Report
イメージングプレートを用いたIVR時の空間線量及び被ばく線量評価法の確立
Project/Area Number |
15510038
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大内 浩子 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (10241522)
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Keywords | イメージングプレート / Interventional Radiology(IVR) / X線 / 積算型線量計 / 入射皮膚線量 / マッピング / セロハン法 / アニーリング法 |
Research Abstract |
昨年度までにイメージングプレート(imaging plate,IP,BAS-TR)を用いて、血管造影術(interventional radiology;IVR)施行時における患者入射皮膚線量(entrance skin dose,ESD)マッピング法を確立した。今年度は、本法により病院での臨床例におけるESD測定を行った。IPを挿み込むコルセットをあらたに作製し、患者の身体に沿わせることで体側でのgeometric errorを最小限にし、realisticな線量評価を試みた。同時にガラス線量計による測定を行った。肝動脈塞栓術例での測定において、同位置でのIPとガラス線量計(1カ所に5チップ並べて配置)による線量評価値を比較したところ、両者は良い相関を示していたが、IPによる評価値の方が大きい箇所が多く、最大線量値を示した箇所では、IPで1,099.08〜1,602.81mGy、ガラス線量計では990.29〜1,029.60mGyと評価され、その差は35%以上あった。診断用x線の低エネルギー領域でもIPでは方向依存性がないこと、ガラス線量計では長軸方向からの入射x線を過小評価することを明らかにした。両者の評価値の差はこの特性の違いが原因と考えられ、IPにより正確なESD測定が可能であることを示した。 また、IP(BAS-MS)を用いて、IVRを頻繁に施行している心カテーテル室での散乱エックス線の空間線量測定を行った。IPは曝射期間終了後にアニーリング処理を施すことにより積算型検出器として使用することができる。厚さの異なる3種類の金属フィルター(アルミニウム、銅、カドミウム)を用いて、実効エネルギー30〜120keVのエックス線に対するIPの応答を調べた。3種類の金属フィルターそれぞれへのIPの感度に、重みを乗じて加えることにより線量当量当たりの感度がエネルギーに依存しないフラットレスポンスを作成した。これにより散乱線のエネルギー情報を必要とせず空間線量の算出が可能になった。心カテーテル室内の数箇所における空間線量を算出し、本法がIVR室での散乱線の空間線量の測定法として実用的に有用であることを示した。
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Research Products
(3 results)