2003 Fiscal Year Annual Research Report
近紫外光照射したN-ニトロソ化合物からのNOの生成、反応機構解析と毒性評価
Project/Area Number |
15510053
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
有元 佐賀惠 岡山大学, 薬学部, 助教授 (90212654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 幸子 姫路工業大学, 環境人間学部, 助手 (70225035)
根岸 友恵 岡山大学, 薬学部, 助教授 (80116491)
岡本 敬の介 岡山大学, 薬学部, 教授 (70131183)
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Keywords | 近紫外光 / N-ニトロソ化合物 / 一酸化窒素 / DNA傷害 / マウス皮膚2段階発がん実験 / ニトロソプロリン / タバコ特異的ニトロソアミン / 酸化的DNA傷害 |
Research Abstract |
近紫外光によるヒトへの傷害の機構の一つとして、内在性のニトロソプロリンから光反応により生じたNOラジカルが光過敏症や光発がんに関与している可能性が考えられる。また、N-ニトロソ基が近紫外光を吸収してNOラジカルを生成していると仮定すると、ニトロソプロリン以外の内在性ニトロソ化アミノ酸や、外来性のN-ニトロソ化合物も、近紫外光によりNOラジカルの発生源や細胞の酸化的傷害の原因となる可能性がある。 そこで、ニトロソプロリンおよびタバコ特異的ニトロサミン(NNK)などN-ニトロソ化合物とUVAとの反応によるNOラジカル反応の解析を行なった。その結果、用量依存的なNO産生並びに酸化的DNA損傷のみられること、NO産生の波長依存性は、それぞれのニトロソ化合物のUV吸収スペクトラムとよく一致することを見いだした。 さらに、ヒト培養細胞を用いて、ニトロソ化合物存在下でのUVA照射によるNO産生とDNA損傷としての小核形成を調べたところ、いずれも用量依存的に生成し、ニトロソ化合物のUV吸収スペクトラムとよく一致して生成することがわかった。また、小核形成とNO産生は相関的に増加した。また、微生物におけるニトロソ化合物の近紫外光照射による変異原性誘起とNO生成にも相関性が見られ、波長依存性も同様によく一致した。 さらに、マウス皮膚2段階発がん実験を行っている。すなわち、SENCARマウスの背の毛を剃った後、Demethylbenzo(a)anthraceneでイニシエー卜し、その後、週2回皮膚にニトロソ化合物を塗布、近紫外光照射したマウスと、コントロールとしてニトロソプロリンのみ、近紫外光のみ、および無処理のマウスの皮膚の状況を観察中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Monobe, M. 他2人: "β-pseudouridine, a beer component, reduces radiation-induced chromosome aberrations in human lymphocytes"Mutation Research. 538. 93-99 (2003)
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[Publications] Arimoto-Kobayashi, S. 他6人: "Inhibitory effects of (-)-epigallocatechin gallate on the mutation, DNA strand cleavage and DNA-adduct formation by heterocyclic amines"Journal of Agriculture and Food Chemistry. 51. 5150-5153 (2003)
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[Publications] Arimoto-Kobayashi, S. 他1人: "Improved method for preparation of S9-activated heterocyclic amines"Environmental Mutagen Research. 25. 77-81 (2003)