2003 Fiscal Year Annual Research Report
放射線によるDNA傷害を制御する核内グルタチオン及び関連酵素の役割に関する研究
Project/Area Number |
15510055
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
浦田 芳重 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (30185087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 宇史 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00158908)
井原 義人 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (70263241)
後藤 信治 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50186889)
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Keywords | γ-GCS / GST / Akt / p53 |
Research Abstract |
研究の目的 本研究は、放射線照射によって引き起こされるDNA傷害や引き続き生じる細胞の死・分化・増殖へのシグナル伝達に、細胞内、特に核内の抗酸化機構がどのような役割を果たしているのか明らかにする事を目的とした。具体的には下記の4項目を到達目標とした。 (1)放射線照射による細胞内小器官の抗酸化システムの制御。 (2)DNA傷害に及ぼす細胞内小器官における抗酸化システムの役割。 (3)核内抗酸化システムによる細胞内情報伝達の制御とアポトーシスシグナルとの関係。 (4)核内抗酸化物質である、γ-グルタミルシステイン合成酵素(γ-GCS)及びグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)の発現強化と放射線照射による発現誘導機構の詳細な検討。 研究成果 (1)、(3)について核では、GSTの放射線照射により核内でGSTが増加し細胞死に対し防御的に働く事が解った。またAktのスルフヒドリル基の修飾がこの細胞死に関与することが示唆される結果を得た。ミトコンドリアに関してはp53のリン酸化の機序に、小胞体についてはカルシウムの動態に視点をおいて検討を重ね、それぞれ結果は得ているが今のところ抗酸化機構との関連では有意な結果は得られていない。(4)についてGSTの発現誘導と核移行の機構について検討を行い、また更にγ-GCSを中心において抗酸化能との関連を検討しているが今のところ有意な結果は得られていない。 今後は、さらに抗酸化状態について抗酸化物質など、より詳細な条件の検討を行い、細胞内の抗酸化システムが放射線照射と細胞死にどのように関与するか検討したい。
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