2005 Fiscal Year Annual Research Report
PCBの甲状腺ホルモン攪乱作用における動物種差とその作用機構の解明
Project/Area Number |
15510058
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
加藤 善久 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (90161132)
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Keywords | PCB / 甲状腺ホルモン撹乱作用 / サイロキシン / 動物種差 / トランスサイレチン / トランスポーター / 肝臓 / グルクロン酸抱合体 |
Research Abstract |
PCBを種々の実験動物に投与し、血清中甲状腺ホルモン濃度及び肝臓中甲状腺ホルモントランスポーター遺伝子の発現量を測定した。さらに、PCB投与後[^<125>I]サイロキシン(T_4)を静脈内投与し、[^<125>I]T_4の血清クリアランス、[^<125>I]T_4のグルクロン酸抱合体の胆汁排泄量、[^<125>I]T_4の血清中トランスサイレチンに対する結合率、[^<125>I]T_4の組織分布量を測定し、動物種により異なると考えられる血清中甲状腺ホルモン濃度の低下メカニズム及びその動物種差について検討した。 マウス、ハムスター、ラット及びモルモットにKanechlor-500(KC500)を投与することにより、[^<125>I]T_4の血清クリアランス及び[^<125>I]T_4の肝臓への分布量は4種の動物で著しく増加し、[^<125>I]T_4のKp値及び[^<125>I]T_4の肝臓単位重量当たりの分布量も有意に増加した。このとき、マウス、ラット、モルモットにおいて、肝臓重量が増加した。また、[^<125>I]T_4のグルクロン酸抱合体の胆汁排泄量はラットでのみ有意に増加した。また、[^<125>I]T_4と血清中トランスサイレチンの結合率は、ラットとモルモットで有意に低下した。さらに、KC500投与により、ラットでは肝臓のOatp2及びLAT1のmRNAの発現量が、マウスではLAT1のmRNAの発現量が有意に増加した。 以上、これまでの結果を考え合わせると、用いた動物において、KC500投与による血清中T_4濃度の低下には、T_4の肝臓への移行が大きく寄与していることが示唆された。また、甲状腺ホルモントランスポーターの発現量の増加が肝臓のT_4の移行量の増加、及び血中T_4濃度の低下をもたらす要因になっている可能性が考えられた。今後、肝臓へのT_4の移行メカニズムについてさらに検討する必要がある。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Species differences in the tissue distribution of catechol and methylsulphonyl metabolites of 2,4,5,2',5'-penta- and 2,3,4,2',3',6'-hexachlorobiphenyls in rats, mice, hamsters and guinea pigs2005
Author(s)
Koichi Haraguchi
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Journal Title
Xenobiotica 35
Pages: 85-96
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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