2004 Fiscal Year Annual Research Report
ライムケーキの低温固化とシックハウス原因VOC除去機能の評価
Project/Area Number |
15510067
|
Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 英信 北見工業大学, 工学部, 助教授 (90113703)
|
Keywords | ライムケーキ / 低温固化 / シックハウス / VOC吸着 / 機能性建材 |
Research Abstract |
甜菜製糖工場から発生するライムケーキは年間約30万トンといわれ、その有効な再利用法が模索されている。ライムケーキの主成分は石灰石と同じ炭酸カルシウムであり、固めることが出来れば石膏ボード様の内装建材として活用できると期待される。我々はライムケーキの低温固化法の検討を行い、一定の成果が得られたので、引き続き内装用建材としての特徴を検討した結果、固化体が自立型調湿機能や高いホルムアルデヒド吸着能をもつことを見出した。さらに、シックハウス症候群の原因物質と考えられているいくつかのVOCについてライムケーキの吸着除去能力を評価した結果、以下のことが明らかになった。(1)ホルムアルデヒド濃度を0.05ppm以下(検知管の検出限界以下)まで下げる能力をもつ。(2)排気下においても吸着残存するホルムアルデヒドの量は4.2x10^<-4>mol/gで市販珪藻土(3.6x 10^<-4>mol/g)よりも多い。(3)その一方、トルエン、キシレンなどベンゼン系VOCの場合、同条件での吸着量は逆に珪藻土の方が多い(例えばライムケーキのトルエン吸着量0.23x10^<-4>mol/gに対して珪藻土の吸着量は0.36x10^<-4>mol/g)。(4)TPD-MSによりホルムアルデヒドの吸着強度を評価した結果、脱離開始温度は50℃であり、通常の気象条件では容易に脱離しないことがわかった。脱離スペクトルのピークは106℃であった。(5)一方、珪藻土に吸着したホルムアルデヒドのTPDスペクトルのピーク温度は128℃であった。排気処理後に珪藻土に吸着残存するホルムアルデヒドの量はライムケーキよりも少ないが、より強固に吸着されている。(6)ライムケーキと珪藻土のVOC吸着特性の違いは前者が固体塩基、後者が固体酸であることによると推測された。 以上の結果を総合して、ライムケーキ固化体は種々VOCを吸着除去する能力をもつ内装用建材材料として有望であると結論した。
|
Research Products
(1 results)