2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15510072
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
木村 正信 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教授 (30108063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 善彦 岐阜大学, 大学院・連合農学研究科, 教授 (50021712)
肥後 睦輝 岐阜大学, 地域科学部, 助教授 (80198994)
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Keywords | 粉砕チップ / 斜面緑化 / マメ科植物 / フェノール性抽出物 / 養分含有率 |
Research Abstract |
廃材をチップ化して、植物の生育基盤材として吹き付けた緑化斜面を対象に、前年度に引き続いて植生調査と吹き付けチップに含まれる各種成分の定量分析を実施した。その結果、6年前にチップを用いて緑化吹き付けが実施された斜面は植生でほぼ100%被覆され、チップ吹き付け斜面ではハギ類、市販の生育基盤材を用いた斜面では草本類が継続して優占状態にあった。 自生植物の地上部現存量は2000年の調査結果に比べると50〜240%増加したが、ハギ類の生育個体数密度は5〜9割減少し、種内での淘汰が始まっている。生育基盤に含まれるリン酸、カリウムは2000年の測定結果とほぼ同様な値を示したが、窒素は4〜8割減少し、その理由として自生植物による摂取が推測される。2000年の調査時には皆無であった侵入植物について、21種の草本類と4種の木本類が確認された。草本類で地表がほぼ全面覆われている市販の生育基盤材斜面に比べて、チップ吹き付け斜面ではハギ類の樹高が増すほど地表部分の被覆度が疎になるために、植物の侵入・定着が容易になると考察される。 緑化施工年度の異なる斜面を対象に実施した調査では、導入植物による被覆率は各調査斜面でバラツキが大きく、方位別には北向き斜面で高い被覆率を示した。ただし、侵入植物の種数に関しては、被覆率の低い南-南西斜面ほど侵入種数が多いという結果が得られた。地温較差の大きな南向き斜面では乾燥の影響を受けやすく、マメ科植物を主とする導入植物の生育が相対的に劣悪で、まばらに裸地化した空間に植生侵入が生じているといえる。また、被覆率は施工後の経過年数に比例して増大傾向にあった。 チップの分解度に関して、施工後の経過年数との間に明瞭な相関は認められず、方位別での相違が生じている。被覆率が高く、表層の湿潤が保たれている北向き斜面では、土壌菌の活動が活発になり、分解がより早く進行すると考察される。
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Research Products
(3 results)