2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15510075
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Research Institution | Hachinohe Institute of Technology |
Principal Investigator |
福原 長寿 八戸工業大学, 工学部, 教授 (30199260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小比類巻 孝幸 八戸工業大学, 工学部, 助教授 (70215375)
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Keywords | 壁面型触媒反応システム / 環境負荷低減 / 省エネルギー / 構造体触媒 / プレート型触媒 / 無電解めっき / メタノールの水蒸気改質反応 / メタノールの分解反応 |
Research Abstract |
本研究では,エネルギーの効率的な利用と省エネルギーを実現する環境負荷低減型の化学反応システム,具体的には反応器の金属面を直接触媒化した壁面型触媒反応システムの構築を目的としている。これまでの研究成果から,システムの正確な特性解析やその構築のための最適なプレート型触媒の創製が行なわれ,構築のための準備が整った。そこで今年度は,壁面型触媒反応システムを実際に構築し,その反応特性や伝熱特性などについて検討を加えた。また,本システムのより広範な応用性を意識し,マイクロ化学分野への展開,具体的には本研究の成果をベースとしたマイクロリアクターの製作も行なった。 1.反応側チャンネルと熱媒側チャンネル(流路高さ3-5mm)を交互に積層し,反応側に無電解めっきで調製したNi/Zn系プレート型触媒をカートリッジ方式で挿入した壁面型触媒反応システムを構築した。装置の高さ2100mm,幅1000mmであり,シリコン系オイルを熱媒体に使用した。構築した装置を用いて大きな吸熱を伴うメタノールの分解反応を行ない,反応器内は設定温度にほぼ沿った温度分布を示し,熱媒側チャンネルから熱エネルギーが効率的に供給できることを確認した。 2.反応側チャンネル内に挿入するプレート型触媒の形状が装置の性能に影響を及ぼし,コルゲートタイプよりもセレートタイプ,さらにはセレート長さの短い場合のほうが装置性能が向上した。また,チャンネル高さを小さくしてリアクターをコンパクトにすることで,性能がさらに向上した。 3.壁面型反応器の出口にTCD型熱伝導度セルを取り付け,装置の負荷変動に対する動特性をモニターしたところ,わずか数秒間で装置が安定し,反応条件の急激な変化にも迅速な応答性を示した。 4.μオーダーの内径を有するAl管内壁に無電解めっきで触媒成分を付着したチューブ状のマイクロリアクターを製作した。このリアクターはメタノール改質による水素製造に高い性能を示し,将来のモバイルタイプの燃料電池用燃料改質器となる可能性があるものと考えられた。 以上,3年間の研究成果を総合的に判断して,本研究の当初の目的は達成したと考えられた。
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Research Products
(2 results)