2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヨシに着目した化学汚染物質の吸収特性と水質浄化への応用
Project/Area Number |
15510081
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Research Institution | Wakayama National College of Technology |
Principal Investigator |
佐々木 清一 和歌山工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (90043546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 昇 和歌山工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (50280433)
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Keywords | 植物 / 土壌浄化 / 重金属 / 無機化合物 / 計測 / 移流・分散解析 / 現地観測 |
Research Abstract |
(1)ヨシと木炭の組み合わせシステムの再検討 汚染水循環実験装置を製作しCu, KNO_3の0.01,0.1%溶液をそれぞれ水位差14cmと水位無しの下で吸収実験を行った。Cu, KNO_3の濃度は、導電率計を上流、ヨシの根元、下流の3箇所に置き2時間毎に計測した。その結果、ヨシの根元ではそれぞれの濃度が時間と共に増加し、また土層を浸透後の溶液の濃度が時間の経過と共に減少傾向を示すことが確認できた。とくに、流れがある場合には木炭、無い場合では、ヨシの根による吸収効果の違いを計測することが出来た。これらの現象は、2次元FEM移流分散解析による濃度分布および流速ベクトル図からも評価が可能となった。 (2)3次元FEM移流分散解析による浄化効果の評価 ヨシを木炭に栽培した大型浄化実験装置を清水町の有田川水系の河川敷に設置し、地域集落排水を導入した観測をH17年1月から開始した。排水導入口とヨシ植栽部の2ヶ所に導電率センサーを設置し2時間毎に携帯電話によるデータ計測システムにより計測を試みた。その結果、排水がヨシ原を通過することにより導電率の低下が観測出来た。この傾向は、特にヨシが最も生育する6-8月において見られた。このような導電率の特性に関するデータを集積できたことは、今後のヨシによる浄化工法への展開戦略に極めて有益であることを強調したい。この実験に並行して排水導入口とヨシ植栽部の2ヶ所において水を採取し、ICPと水質分析計により分析した結果、重金属(Cu, Zn---)では余り変化は見られなかったが、無機物質(NO_3-, PO^3_4^----)では、時期により浄化効果が見られた。しかし、測定期間中に通信システムの故障もあり年間を通した観測が出来なかった。本年度は、改善した通信システムより再度計測を行いたい。 今年度は、和歌山県内における河川又はため池での水質浄化を備えた堰堤への設計を提案し行政当局の評価を求める予定である。また、これに対する化学汚染物質の分布の変化を3次元FEM移流分散解析により検討する。
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Research Products
(5 results)