2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15510089
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
一柳 優子 横浜国立大学, 工学研究院, 助手 (90240762)
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Keywords | ナノテクノロジー / 超微粒子 / 遷移金属酸化物 / 磁気測定 / フェライト / サイズ効果 / nanoparticle / magnetization |
Research Abstract |
(1)本年度は3d遷移金属のうちCoを含むナノ微粒子についてCo-pure系として、その磁気特性を調べた。粉末X線回折の結果からは、粒径が2-3nmのCo_3O_4が生成していると予想できた。バルクのCo_3O_4はネール温度T_N=30Kを持つ反強磁性体として知られているが、本ナノ微粒子は7.5-12Kにブロッキング温度T_tを持ち、高温側ではCurie-Weissに従うことがわかった。Co1イオンあたりの磁気モーメントを計算すると、期待されるより2倍近く大きな値の8.12_<μB>となった。これは、非磁性であるはずのCo^<3+>イオンが表面付近で結晶対称性を失い、low-spin stateでは無くなるのではないかと考えている。またSiO_2中のCoイオン濃度を変化させることにより、磁気微粒子間の相互作用や粒径の変化に注目する試みを検討中である。 (2)多元系フェライトのナノ微粒子の作成を試みた。Ni-Zn ferriteおよびCo-Zn ferriteのナノ微粒子の作成に成功した。焼成温度条件により粒径を制御し5-6nmに揃え、Zn濃度を変化させて磁気パラメータの変化やナノサイズ化によって現れる効果について探求した。Ni-Zn系ではZnを加えないものに比べ、透磁率が増加することが確認できた。Co-Zn系では予想される保磁力の向上は見られなかった。分子飽和磁気モーメント(Msについては、両試料ともバルクに比べて小さい値が得られた。これはMsが粒径依存性を持つことを意味するが、ナノ微粒子に特徴的な表面の効果が現れているものと考える。これらの値の再現性について研究を進行中である。 (3)学会参加発表等 2003年7月 磁気国際会議参加(ローマ) 2003年9月 日本物理学会秋季大会参加発表(岡山) 2003年10月 ISAMM-2003国際会議参加発表(横浜) 2004年3月 日本物理学会第59回年次大会参加発表 予定(福岡)
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Ichiyanagi: "Effects of Co doping on the magnetic properties of Fe2O3 nanoparticles"Trans.MRS-J. (in press). (2004)
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[Publications] Y.Ichiyanagi: "Magnetic Study on Co3O4 Nanoparticiles"J.Magn.Magn.Mater.. (in press). (2004)
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[Publications] Y.Ichiyanagi: "X-ray absorption fine-structure study on the Ni(OH)2 monolayer nanoclusters"Chem.Phys.Lett.. 379. 345-350 (2003)
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[Publications] Y.Ichiyanagi: "Magnetic properties of NiO nanoparticles"Physica B. 329-333. 862-863 (2003)