2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15510089
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
一柳 優子 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助手 (90240762)
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Keywords | ナノテクノロジー / フェライト / 磁化測定 / ナノ医療 / サイズ効果 |
Research Abstract |
(1)昨年度まで調べてきたNi-Znフェライトについて、磁気特性の全貌を明らかにするとともに、つくばの高エネ研(KEK)にて放射光を利用したX線吸収超微細構造(XAFS)の実験を行い、局所構造の解析を試みた。ネールの理論に従えば、ニッケル(Ni)フェライトに非磁性の亜鉛(Zn)をドープすると、磁化が増大することが期待できる。本Ni-Znフェライトナノ微粒子では、Ni_<1-x>Zn_xFe_2O_4の系について、Znをドープすると磁化が増加し、x=0.7付近で最大値をとることがわかった。さらに焼成温度条件により、粒系サイズを制御し、磁化の粒系依存性を調べたところ、6nm付近で急激に変化した。保持力の変化からは多磁区から単磁区に変わる臨界粒径が、約6nmと求めることができた。XAFSの解析からは、Znはスピネル構造のAサイトに、NiはBサイトに占有されることがわかったほか、各サイト間の距離を決定することができた。 (2)フェライト系ではMgフェライトのナノ微粒子の作成を手がけた。 (3)ナノ微粒子の応用化の1つとして、医療への利用を可能にするために新しい手法を手がけた。まず、本微粒子へアミノ基を修飾することを試みた。γ-APTESを用いてシラン化したのち、赤外線吸収スペクトルで測定したところ、新たにアミノ基の伸縮が見られ、アミノ基の修飾が確認できた。アミノ化前後で構造と磁気特性を調べたところ、変化は見られなかった。この微粒子の細胞内への導入も確認している。 (4)今年度における国内外での学会参加発表等は以下の通りである。 2005年3月 日本物理学会第60回年会(千葉) 2005年5月 ナノ学会第3回大会(仙台) 2005年8月 横浜国大ナノテクシンポジウム(横浜) 2005年9月 日本物理学会秋季大会(京都) 2005年10月 日中交流および国際熱測定シンポジウム(福岡) 2005年11月 マイクロマシン展(東京) 2005年12月 日米ナノテク若手研究者交流シンポジウム(東京) 2005年12月 環太平洋化学会議(分子磁性国際会議)(ホノルル) 2006年3月 国大・市大ナノテク交流シンポジウム(横浜)
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Research Products
(3 results)