2004 Fiscal Year Annual Research Report
Siナノ結晶中への量子閉じ込め等電荷トラップの形成と高効率発光
Project/Area Number |
15510091
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤井 稔 神戸大学, 工学部, 助教授 (00273798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 真至 神戸大学, 工学部, 教授 (50107348)
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Keywords | 発光 / シリコン / ナノ結晶 / ドーピング |
Research Abstract |
Siナノ結晶は、電子-正孔の空間的な閉じ込め(量子サイズ効果)により、光学遷移時の運動量保存則が部分的に緩和されている。その結果、バルク結晶に比べて発光再結合レート(振動子強度)が大きくなる。本研究では、Siナノ結晶中に等電子トラップを形成し、結晶格子の並進対称性の崩れを導入することにより、振動子強度のさらなる増大を実現する。また、量子サイズ効果により、不純物に対する励起子の束縛エネルギーが増大することが期待され、その結果、高温において束縛励起子からの強い発光が期待できる。本年度は、昨年度の研究をさらに進展させ、PとBの濃度を系統的に変化させたSiナノ結晶を作製し、その発光特性について詳細な研究を行った。その結果、1)P、B濃度が高いほど発光ピークエネルギーが高エネルギー側にシフトする。2)ドープするPとBの濃度の和を固定し、それぞれの割合を変化させると、PとBの濃度が等しいときに発光強度がほぼ最大になる、3)少量のPとBを同時にドープしたSiナノ結晶の発光強度は、不純物をドープしないSiナノ結晶よりも高い、等が明らかになった。また、不純物制御により発光強度を大きく落とさずにSiナノ結晶の発光波長を1eVから1.6eVまで制御可能であることが明らかになった。以上の結果は、サイズ制御と不純物制御を組み合わせることにより、Siナノ結晶の発光エネルギーをより広範囲に制御できることを示しており、Siナノ結晶の光学素子への応用を考えた場合、非常に重要である。
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Research Products
(2 results)