2005 Fiscal Year Annual Research Report
光機能発現の向上を目指した半導体ナノ材料の創製と過渡応答評価
Project/Area Number |
15510098
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
豊田 太郎 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (40217576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沈 青 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (50282926)
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Keywords | 半導体ナノ粒子 / 酸化チタンナノ粒子 / 硫化亜鉛ナノ粒子 / 光電変換 / 蛍光特性 / 光音響スペクトル / 光化学電流スペクトル / 過渡応答評価 |
Research Abstract |
半導体ナノ粒子系では量子閉じ込め効果による光学特性の著しい向上が見られ、光機能デバイスへの応用が活発に研究されている。本研究では、(1)酸化チタン(TiO_2)ナノ粒子集合体光電極の作製と評価、(2)(1)の系にCdSe量子ドットを吸着した系の過渡応答評価、(3)Mnを不純物として含む硫化亜鉛(ZnS)ナノ粒子の作製と評価を対象として研究を推進した。 (1)酸化チタン(TiO_2)ナノ粒子集合体光電極の作製と評価 本研究ではフラクタル構造、粒径の異なるナノ粒子複合系、結晶構造の異なるナノ粒子複合系、ナノチューブ・ナノワイヤー複合系、フォトニック結晶の作製を行い、再現良くこれらの系を形成する条件を見出した。フォトニック結晶形成では、従来よりも簡便・安価でかつ迅速に形成出来る新手法を開発した。 (2)(1)の系にCdSe量子ドットを吸着した系の過渡応答評価 半導体量子ドット系における光エネルギー緩和過程の評価は、光電変換効率と相関があるため重要である。本研究では、電子と正孔の初期注入状況を評価するため、無輻射緩和を反映する過渡回折格子法、輻射緩和を反映する過渡発光法を適用した。その結果、正孔移動は表面形態に大きな依存性は示さず、数ピコ秒の高速緩和を示したが、電子移動は表面形態と吸着条件に大きく依存することを見出した。 (3)Mnを不純物として含む硫化亜鉛(ZnS)ナノ粒子の作製と評価 上記の系を引き続き溶液中コロイド分散法で作製し、蛍光強度に対するアクリル酸吸着と紫外線照射の効果について検討を進めた。その結果、アクリル酸吸着を施していない系ではMn不純物濃度の増加に伴い蛍光強度が減少するのに対して、吸着した系ではMn不純物濃度の増加にの伴い増大することが判明した。紫外線照射により蛍光強度が増大することはすでに見出していたが、アクリル酸吸着を施した系ではその増大率が施していない系に比べて小さいことが判明した。
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Research Products
(6 results)