2003 Fiscal Year Annual Research Report
複数分子の協同で機能発現するシナジェティック・シグナリング・ナノ分子認識空間創製
Project/Area Number |
15510102
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
竹内 俊文 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (70179612)
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Keywords | モレキュラーインプリンティング / 分子認識 / シナジェティックシグナリング材料 |
Research Abstract |
本研究では、複数の分子の存在により機能発現ターゲット分子の特異的な認識が可能な人工レセプターについて検討する。本研究を行うためには、ターゲット分子に対する認識場を構築後、一度その機能を破壊(もしくは、低下)させ、さらに再構築が可能なシステムの構築が必要となる。レセプターの合成法として、テーラーメイド的に認識場を構築できるモレキュラーインプリンティング法を用い、シンコニジンをターゲット分子としたインプリントポリマーの開発を行った。 【実験】 レセプターの合成:ターゲット分子(二重結合を還元し、メタクリロイル化したシンコニジン)、認識場構成分子(側鎖をメタクリロイル化したポルフィリン亜鉛錯体(Π))、架橋剤(ジビニルベンゼン/スチレン)、重合開始剤(ADVN)を溶媒ベンゼンに溶解させ、70℃でラジカル重合を行った。その後加水分解と洗浄により、ポルフィリンとシンコニジンの切り出しを行った。 認識場の再構築:得られたポリマーをテトラ(4-ピリジル)ポルフィリン亜鉛(II)錯体(ZnTPyP)のクロロホルム溶液中で撹拌し、ZnTPyPを加水分解で生じたメタクリル酸残基に結合させて、認識場の再構築を行った。結合量は撹拌溶液の吸光度変化から算出した。 【結果と考察】 ポルフィリンとシンコニジンの切り出しを行ったインプリントポリマーへのZnTPyPが吸着されたことから、ポルフィリンが、加水分解によってできた四つのカルボキシル基と水素結合し、シンコニジン認識場を再構築していることが示唆された。
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