2003 Fiscal Year Annual Research Report
異なる性能をもつ移動通信基地局の地域特性を考慮した配置政策の研究
Project/Area Number |
15510120
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
山田 孝子 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教授 (80272053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 憲一 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助手 (00361824)
高橋 幸雄 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (70016153)
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Keywords | 移動体通信 / 利用者行動 / シミュレーション / 都市空間 / 歩行モデル / 呼損率 / 性能評価 / 集団到着 |
Research Abstract |
本研究課題では、高層オフィスビル、高層マンション、駅、イベント会場など時間帯や場所により様々なユーザ分布をもつ地域に対し、複数の性能を有する基地局の組み合わせをどのように地域内に効率的な配置法すれば、発生するトラフックに柔軟な対応することが可能になるか、を研究することを目的としている。こうしたトラヒックは平面上、空間上に偏在し、しかも駅、イベント会場、地下道・地下鉄の出入り口などで突然、大量に集中して発生することがある。今年度は実際の街を対象とし地図データ上に道路網、交差点、駅や繁華街などをグラフ構造で表示するシステムを開発した。そしてこのシステムで、様々な移動パターンを有する歩行者を発生させ、歩行者の混雑状態や駅での集団到着、集団退去など、現実に近い状況をモデルするシミュレータを開発し、発生するトラヒックを観察を行った。このシミュレータでは、様々な発生パターンをもつ移動通信の発呼をモデル化することが可能で、セル間を移動する通話中の歩行者や、セル間でのハンドオーバの失敗や空きチャネルがないための発呼の失敗に伴う再呼など、理論的モデルでは扱いの困難な状況を再現が可能になっている。また、交差点や駅などの歩行者密度の高い空間の混雑状況を柔軟に再現できる。今年度はこのシミュレータを用いて、具体的な市街地での呼損やセル間の依存関係、ハンドオーバーの発生率、セル内滞在時間、集団到着の影響などを調べ、また理論的なモデルと呼損率の評価での違いがどのように発生しているかを評価した.その結果、集団到着が起こるようなセルの周辺ではアーラン呼損式のような従来の呼損の見積もりと大きく乖離した呼損が発生することを示すことができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 加藤憲一: "セルラ方式移動通信網における発呼間隔の依存性にユーザ行動が与える影響について"The 2003 Fall National Conference of ORSJ Abstracts. 342-343 (2003)
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[Publications] 高橋美佐, 山田孝子, 高橋幸雄: "移動通信網におけるDecomposition法による呼損率の近似制度に対するユーザ偏在の影響"The 2003 Fall National Conference of ORSJ Abstracts. 338-339 (2003)
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[Publications] 高橋美佐, 山田孝子, 高橋幸雄: "移動通信網における呼損率の近似精度に対するユーザー偏在の影響"電子情報通信学会技術研究報告. IN2003-24 34. 47-53 (2003)
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[Publications] 金子雅志, 山田孝子, 加藤憲一: "移動体通信における性能評価のための都市空間を考慮した歩行モデルの構築"待ち行列シンポジウム「確率モデルとその応用」報文集. 218-227 (2003)
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[Publications] 高橋成晃, 小沢利久, 高橋幸雄: "Accuracies of decomposition-type approximate models for large-scale mobile communication"待ち行列シンポジウム「確率モデルとその応用」報文集. 208-217 (2004)
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[Publications] T.Takahashi, T.Ozawa, Y.Takahashi: "Bounds of Performance Measures in Large-Scale Mobile Communication Netoworks"Performance Evaluation. Vol.54. 263-283 (2003)