2003 Fiscal Year Annual Research Report
時空間地理情報を用いた高齢化社会における都市の災害リスク評価と軽減に関する研究
Project/Area Number |
15510126
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
萩原 良巳 京都大学, 防災研究所, 教授 (00268567)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森野 真理 横浜国立大学, 環境情報研究院, COE研究員
神谷 大介 琉球大学, 工学部, 助手 (30363659)
畑山 満則 京都大学, 防災研究所, 助手 (10346059)
坂本 麻衣子 京都大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 高齢者 / コミュニティ / 災害リスク / 時空間地理情報 |
Research Abstract |
今後確実に到来する高齢化社会において,都市の防災,減災を考えるため,都市の社会的構造に関する分析を行った.従来から行われてきたマクロなレベルでのもののみでなく,詳細なミクロレベルでの分析が将来的には重視されると考え,以下の作業を行った. 1)対象地域における水辺の歴史的変遷データベース整備 水辺は,高齢者にとって平常時における憩いの場であるだけでなく,災害時における避難スペース,避難経路としての機能を有し,そこを流れる水は火災発生時の消火用水,復興期の生活用水としての利用も見込まれる.研究対象地域である京都市旧市街地の水辺の歴史的変遷(主に聚楽第建設以降)を,古地図と文献をもとに,時空間情報としてGIS上に復元した. 2)災害リスクを考慮した災害弱地域指数の定義と地域分析 対象地域の文化的・歴史的資産であるが,災害リスク要因とも考えられ,さらに高齢者が多数居住している袋小路をもとにした町丁目ごとの災害弱地域指数を定義し,この指標を用いて対象地域の地域分析を行った.この分析により対象地域の中でも特に上京区の災害リスクが高いことを確認した. 3)高齢者の行動に関する社会調査 現在,対象地域に住む高齢者に対して,生活行動と災害対応に関する社会調査をインタビュー形式で行った.高齢者(病院に入院している高齢者は対象外)を,生活に支障のない健常者(一般高齢者),要介護,要支援認定をうけた要介護高齢者に分類し,前者は,病院を中心に行っている健康友の会,後者はデイサービスセンターに通っている人を対象に調査を行い,町内会などの居住地を中心とするコミュニティとは違う,施設を中心としたコミュニティの存在とその意義について明らかにした.
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 寺尾 京子: "京都市市街地における災害弱地域分析と高齢者コミュニティに着目した災害リスク軽減化に関する考察"地理情報システム学会講演論文集. Vol.12. 471-474 (2003)
-
[Publications] 畑山 満則: "京都市市街地における災害弱地域と高齢者コミュニティに関する分析"環境システム研究論文集. Vol.31. 387-394 (2003)
-
[Publications] 畑山 満則: "京都市市街地における災害弱地域と高齢者の生活行動・コミュニティに関する分析"日本地域学会 第40回年次大会 学術発表論文集. 163-170 (2003)
-
[Publications] 萩原 良巳: "京都市旧市街地における災害弱地域と高齢者のコミュニティに関する研究"京都大学防災研究所年報. No.46B. 53-60 (2003)
-
[Publications] 萩原 良巳: "コミュニティの活性化・不活性化が災害時の情報伝達に及ぼす影響に関する研究"京都大学防災研究所年報. No.46B. 61-66 (2003)
-
[Publications] 岡田 裕介: "京都の水辺の歴史的変遷と都市防災に関する研究"平成16年度 土木学会関西支部 年次学術講演概要. (発表予定). (2004)