2003 Fiscal Year Annual Research Report
段取作業に関する技能訓練理論の展開とその訓練システムの開発
Project/Area Number |
15510130
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大橋 和正 岡山大学, 教育学部, 助教授 (10110248)
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Keywords | 段取作業 / 技能訓練 / 訓練計画 / 訓練システム / 生産教育 |
Research Abstract |
加工作業の自動化は、ロボットやNC装置を主体として急速な進歩を遂げているのが現状である。一方、自動加工作業を行うための準備段階である段取作業は、経験と勘に基づく作業の複雑性ゆえに相変わらず人手主体の作業であり、その効率化が急務の課題となっている。そこで、段取作業に早急に熟練するためには、作業者を上手に教育訓練する方法論を確立することが必要であり、これによって、人手による段取作業の大幅な熟練性の向上をはかることが可能となる。作業者は訓練することにより、個人差はあるけれども、知識の獲得と繰返し作業により、次第に熟練化する。そこで、訓練するごとに上達する技能プロセスを熟練化関数として定義し、また上達するための労力量を定義して、訓練理論の基本概念を構築した。熟練度の評価方法としては、段取作業の最適(理想)解を数学モデルの構築と解析によって求め、それを目指して訓練を繰返し、最適解に近づく努力をすることで熟練の域に収束する方法を適用した。段取作業を効率的に修得させるための訓練方策として、個人別練法、チーム訓練法を提案し、それらの制御方法を確立した。とくに、チーム訓練法では訓練のパートナー次第では訓練時間(回数)とともに上達度が急速に進むこともあり、それを訓練の動的モデルとして位置づけた。また、簡易な形で将来の訓練計画をたてるだけなら訓練の静的モデルの解析で十分であるとした。このように機械加工のための段取作業の訓練計画理論の基礎的考え方をまとめ、計画理論の概念設計を進めた。提案した訓練計画理論を検証するにあたり、未熟練作業者に段取作業実験を行わせ、その熟練化プロセスを実際にデータベース化した。 段取作業の対象として、本年度はマシニングセンタを想定し、パレット上での加工部品の位置決めと取付け具の最適配置を求める数学モデルの構築とともに、それらの最適解を求め、実際の段取作業と比較検討した。この結果をもとに、本研究で提案した技能訓練の方法論を適用し、訓練計画の有用性について検討したところである。 以上の結果は、2003年10月の日本経営工学会秋季研究大会や11月の第46回自動制御連合講演会において、その概要を報告し、また2004年3月の第19回日本生産管理学会全国大会で本年度分の研究の区切りとしての発表を行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 大橋 和正: "作業熟練のモデル構築と作業訓練法"日本経営工学会秋季研究大会予稿集. 252-253 (2003)
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[Publications] 大橋 和正: "生産における作業熟練と訓練法に関する研究"第46回自動制御連合講演会講演論文集. 1101-1103 (2003)
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[Publications] 大橋 和正: "技能修得プロセスの動的モデルとデータベースシステム"第19回日本生産管理学会全国大会講演論文集. 159-162 (2004)