Research Abstract |
今日では,生産工程が段階的に連なり,工程間に在庫点を設置した,多段階生産在庫システムが一般的になっている.そのような多段階生産在庫システムの管理方式に対して,最近では,顧客の価値観の多様化にともない,製品のライフサイクルが短命化し,定常な需要が見込める期間が短くなってきていることから,需要が非定常に変化するような状況に臨機応変に対応する管理方式が強く望まれているといえる.これまで,そのような需要の非定常な変化に的確に対応する生産指示方式として,"臨機応変生産指示方式",また,需要のパラメータなど事前情報を必要としない,あるいは事前に対応の検討を必要としない臨機応変生産指示方式として,"進化型臨機応変生産指示方式"の開発と有効性の検証を行った.本研究では,それらの成果を元にして,最近話題となりつつある,再構成可能生産システム(Reconfigurable Manufacturing System)と呼ばれ,生産指示方式のみならず,生産システムのパラメータや構成も状況に応じて制御する,再構成可能生産システムの機動的管理方式の開発と有効性の検討を行うことを目的としている.本年度は,前年度までの成果を元に,最終年度である本年度は,学習機能を持った機動的管理方式の比較分析とまとめを行った. 検知・調整機能による方法では,事前に対応を検討することから,検討済みの対応が求められる場合には,効果を発揮できると考えられるが,未検討の対応を求められる場合には,その効果は定かではない.一方,学習機能を持った方式でも,十分学習を積んで,その学習内容に沿った対応が求められる場合には,効果を発揮できると考えられるが,学習が不十分であったり,学習していない内容の対応が求められる場合には,その効果は定かではない.そのような両者の定性的特性を踏まえた上で,公平な実験により比較した.また,本研究のまとめを行った.
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