2004 Fiscal Year Annual Research Report
悪条件の凸最適化問題に対する内点法とロバスト最適化の研究
Project/Area Number |
15510144
|
Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
土谷 隆 統計数理研究所, 予測制御研究系, 教授 (00188575)
|
Keywords | 線形計画問題 / 内点法 / 曲率 / ロバスト最適化 / 最小二乗法 / 最適設計 |
Research Abstract |
本年度は(i)線形計画問題に対する中心曲線の幾何学的構造と内点法の計算複雑度の解析;(ii)ロバスト最適化問題に対する近似解法のロバスト性能推定;(iii)重みつき最小二乗法とモデリングについて研究した. (i)については,線形計画問題に対する主双対内点法の反復回数と中心曲線の幾何学的性質の関係の解析を前年度に引き続いて進め,中心曲線のアルゴリズム的曲率を定義し,中心曲線の全曲率が係数行列Aの条件数の対数に非負変数の次元の3.5乗を乗じたものの定数倍で上から押さえられることの証明を与えた. (ii)については,2次錐計画法による磁気シールドのロバスト最適化に対する近似解法の一般化と性能評価について研究を進めた.ここで考えているロバスト最適化問題は,外部磁場が多少変化しても十分な遮蔽性能を有するという制約の下でできるだけ軽いシールドを設計する問題である.この問題に対し我々は,乱数で摂動磁場を生成し,シールドがそれに対応できるように逐次厚みを増やす反復を繰り返す近似解法を提案していたが,得られるシールドは全ての摂動磁場に対して十分な厚みを有するわけではない.設計されたシールドが対応できない確率を最尤法によって評価することを試みた. (iii)については,磁気シールドの最適設計問題の数理モデルが重みつき最小二乗法の重みの極限をとることにより得られることを明らかにした.重みつき最小二乗法の極限は(i)の解析でも重要な役割を果たす層別最小二乗法である.また,最小二乗法の条件数の有限性について,Sherman-Morrison-Woodbury公式を用いた新しい証明を与えた.
|
Research Products
(2 results)