2005 Fiscal Year Annual Research Report
悪条件の凸最適化問題に対する内点法とロバスト最適化の研究
Project/Area Number |
15510144
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
土谷 隆 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 教授 (00188575)
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Keywords | 線形計画問題 / 中心曲線 / 曲率 / 計算複雑度 / 最小二乗法 / 条件数 / ロバスト最適化 |
Research Abstract |
本年度は(i)線形計画問題に対する中心曲線の幾何学的構造と内点法の計算複雑度の解析;(ii)層別最小二乗法と重みつき最小二乗法について研究した.(i),(ii)とも,線形計画問題および最小二乗問題という基本的最適化問題の悪条件性についての基礎的研究である. (i)については,線形計画問題に対する主双対内点法の反復回数と中心曲線の幾何学的性質の関係の解析を前年度に行い,反復回数に密接に関連する量として中心曲線の曲率を定義し,中心曲線の全曲率が係数行列Aの条件数の対数に非負変数の次元の3.5乗を乗じたものの定数倍で上から押さえられることを証明していたが,その証明を改良して簡単化し,最終的な論文としてまとめた(R.D.C.Monteiro and T.Tsuchiya : A strong bound on the integral of the central path curvature and its relationship with the iteration complexity of primal-dual path-following LP algorithms. Research Memorandum No.898,The Institute of Statistical Mathematics).また,その結果の微分幾何学的意味や線形計画問題以外の問題への拡張可能性についても考察した.(ii)については,重み付き最小二乗法の重みの極限として定義される層別最小二乗法について研究を行った.特に重み付き最小二乗解と層別最小二乗解の差のノルムについて,両者の解の差を「重み付き最小二乗問題の各重み係数の比」と「係数行列の条件数」で評価した(土谷隆:層別最小二乗法--重み付き最小二乗法の極限--.統計数理,53巻2号,pp.391-403).また,前年度に行った磁気シールドのロバスト最適化に関する研究の概要を論文(土谷隆,笹川卓:2次錐計画問題による磁気シールドのロバスト最適化.統計数理,53巻2号,pp.297-315)としてまとめた.
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Research Products
(3 results)