2003 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチンの動的変動によるゲノム刷り込みの転写制御機構の解析
Project/Area Number |
15510159
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
久郷 裕之 鳥取大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40225131)
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Keywords | MAR / インプリンティング / LIT1 / IGF2 / クロマチン / DT40 / 染色体導入 / 核マトリックス |
Research Abstract |
哺乳類において,刷り込み現象の対象となる刷り込み遺伝子の多くはクラスターを形成し,共通の調節分子を利用してドメインレベルで数百kb〜数Mbの広範囲にわたる発現制御を受けている。これらの発現制御には,DNAおよびヒストンのメチル化や,アセチル化等,エピジェネティックなクロマチン構造の変化が深く関与している。 ゲノムDNAは,MAR(Matrix Attachment Region)を介して核マトリックスと結合することでクロマチンループに代表されるようなクロマチン構造を構築している。MARは,転写やドメインの制御,特に刷り込み遺伝子のクラスターのような広範囲にわたる制御に重要な働きをしていることが示唆され,核マトリックスとゲノムDNAの特異的結合機構によるクロマチン構造の変化の解析は,クロマチンドメインレベルの遺伝子発現制御機構の解明につながるものと期待できる。 本年度においては,MARの機能を解析するための基盤作りとして,(1)MAR予想解析ソフト(MAR-wiz software)を用いてLIT1,IGF2のMAR候補領域を検索した。その結果,各々遺伝子近傍領域を含めLIT1では2個,IGF2では,3個の候補領域を同定した。ターゲティングベクターは,薬剤耐性遺伝子で目的領域を置換すべく,両側に5kb前後の相同領域を組み込んだベクターを構築した。(2)ターゲティングにはニワトリ前駆B細胞由来のDT40細胞内での相同組み換えを利用し,PCRおよびサザンブロット解析を通してMARのターゲティングを確認した。(3)(2)で改変したヒト染色体をチャイニーズハムスター細胞(CHO)株へ微小核細胞融合法を用いて導入し,現在単離した細胞クローンの解析を行っている。今後は,これらの細胞株を利用してMAR欠失による刷り込み遺伝子の発現解析,また核マトリックスへの結合状態の変化や,クロマチン構造の変化の解析を行う。
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