2003 Fiscal Year Annual Research Report
鉄硫黄クラスターの生合成機構:二種のクラスター形成マシナリーの分子構築と反応機序
Project/Area Number |
15510174
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 康弘 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10154874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 恵一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80032283)
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Keywords | 鉄硫黄クラスター / 鉄硫黄タンパク質 / 生合成 / ISCマシナリー / SUFマシナリー / 分子間相互作用 / 構造と機能 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
鉄硫黄(Fe-S)蛋白質は、Fe-Sクラスターを持つ蛋白質の総称で、構造と機能は多種多様、これらFe-S蛋白質の機能発現において、Fe-Sクラスターの形成は必須である。近年我々は、クラスターの生合成に必須な二種の独立したマシナリー(ISCとSUF)を明らかにすることで、従来の"自発的なクラスター形成"という概念を覆した。次なる課題はメカニズムの解明である。マシナリーの個々の成分がどのような役割を演じているのか? また、複数の成分がどのように調和してマシナリーとしての機能を発揮するのか? 二種類の合成系の存在意義と合わせて、分子レベルで詳しく理解する必要がある。本年度は、下記の研究を推進した。 1.各成分の精製と生化学的な解析、機能マシナリーとしての分子構築、分子間相互作用の解析(高橋) 大腸菌のISC並びにSUF、好熱菌Aquifex aeolicusのISC、古細菌Sulfolobus tokodaiiのSUFマシナリーの構成成分について、各々単独、または複合体として過剰に発現させ、精製と機能解析を進めている。SufS+SufE、SufB+SufC+SufDが、それぞれ複合体を形成すること、また、AquifexのIscUは、意外にもFe-Sクラスター(中間体?)を結合した状態で精製できることを見出した。今後、これらの精製標品を用いて、in vitro実験系の確立を目指す。 2.結晶化とX線結晶構造解析(福山) 上記の精製タンパク質(複合体)の結晶化を試み、大腸菌のIscA、SufA、SufC、SufDとSufS+SufE複合体、SulfolobusのSufCとSufC+SufD複合体について結晶を得ることができた。そのうち、SufDとSufC+SufD複合体の結晶は良質であり、現在、重原子誘導体をスクリーニング中。大腸菌のIscXについては最近、構造決定を完了した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Marco Kriek: "Effect of iron-sulfur cluster assembly proteins on the expression of Escherichia coli lipoic acid synthase"Protein Expr.Purif.. 28・2. 241-245 (2003)
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[Publications] Takahiro Yano: "Characterization of cluster N5 as a fast-relaxing [4Fe4S] cluster in the Nqo3 subunit of the proton-translocating NADH-ubiquinone oxidoreductase from Paracoccus denitrificans"J.Biol.Chem.. 278・18. 15514-15522 (2003)
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[Publications] Vahab Ali: "An Intestinal Parasitic Protist Entamoeba histolytica Possesses a Non-redundant NIF-like System for Iron-Sulfur Cluster Assembly under Anaerobic Conditions"J.Biol.Chem.. (in press). (2004)