2005 Fiscal Year Annual Research Report
微生物代謝産物を用いた特異的酸性スフィンゴミエリナーゼ阻害剤の探索
Project/Area Number |
15510187
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Research Institution | Microbial Chemistry Research Foundation |
Principal Investigator |
池田 洋子 (財)微生物化学研究会, 微生物化学研究センター・生物活性推進グループ, 研究員 (60159639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤 竜一 (財)微生物化学研究会, 微生物化学研究センター・構造検討グループ, ユニット長 (50235454)
梅澤 一夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70114402)
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Keywords | 微生物代謝産物 / 酸性スフィンゴミエリナーゼ / 阻害剤 |
Research Abstract |
微生物代謝産物を用いた低分子活性物質の探索研究において1放線菌の培養液上清に酸性スフィンゴミエリナーゼ阻害活性があることを見出した。これは酸性スフィンゴミエリナーゼ阻害物質のスクリーニングで、土壌微生物4000株を用いて初めて発見されたものである。培養液から抽出した粗精製物の中性スフィンゴミエリナーゼの選択阻害活性が300倍以上であったので、かねてよりその活性物質の精製を試み報告してきた。以下に本研究の昨年1年間の実験結果を報告する。 本物質は培養液上清からHP-20カラムに吸着し、メタノールで溶出された(IC_<50>30μg)。その後シリカゲルクロマトを2回行いLH-20にloadし、メタノールで溶出するとIC_<50>0.1-0.03μgの固体が約50%の収率で得られた。更に精製をするべくHPLCの逆相クロマトCAPCELL PAK C_<18>、CH_3CN-H20gradient(+TFA)溶出、HPLCゲルろ過クロマトAsahipak GF-310HQを使用し、溶出溶媒をメタノール、NaCl+メタノール、メタノール:クロロホルム:水=3:1:1に変えて精製を試みたが、いずれも収率が悪く比活性が低下した。別にHPLCで順相シリカゲルカラム(aquasil SS-4031)にloadし、クロ/メタ/水5/4/0.65で溶出したところ活性fractionが2つに分かれた。活性を示したすべてのfractionを分析カラムにかけ、蒸発光散乱検出システムで分析した。しかし、これら活性fractionはいずれもpeakが明確でなく、まだ純物質でないことがわかった。さらに生産菌株の改良を行うため2回目の単胞子分離操作を行い55本の株の培養液の活性を全て測定した。培養上清10mlをHP-201mlに吸着させ,水洗後メタノール1mlで溶出し活性を測定し判定した。55本のうち7本が活性を示したので2回目、3回目の培養を行ったが、いずれも元の生産菌株を超える活性を示さなかった。本活性物質の生産性をあげるためにはさらに、菌の改良を行う必要がある。一方、スフィンゴミエリナーゼはコレステロール代謝を活発にし、その阻害剤はコレステロールの泡沫化を抑制したことからコレステロール生合成を促進する因子supernatant protein factorの阻害物質をスクリーニングする系を構築している。
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