2006 Fiscal Year Annual Research Report
「マケドニア」意識の多義性と「民族」形成における国際関係要因
Project/Area Number |
15510202
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
大庭 千恵子 広島市立大学, 国際学部, 助教授 (10256026)
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Keywords | 東欧現代史 / バルカン現代史 / マケドニア問題 / 国民国家体系 / 少数民族問題 |
Research Abstract |
申請最終年度にあたる平成18年度においては、以下の研究実績を上げた。 (1)旧ユーゴスラヴィアマケドニア共和国のスコピエ大学歴史研究所にて1920年代のバルカン情勢に関する現地研究者による最新の研究成果の収集に努めるとともに、マケドニア共和国公文書館において、一次史料の収集および分析を行った。 (2)第一次世界大戦後のマケドニア運動内部の多様な勢力を統一しようとする1924年の試みについて、一次史料と現地研究者の研究成果に基づいた分析を行い、その成果を査読付きの学術雑誌に公表した。具体的な分析テーマは、1924年4月から8月にかけてマケドニア運動がソ連(コミンテルン)との関係をめぐって公表した「宣言」の形成過程とその後の影響についてである。 (3)年度末に、研究報告書を作成した。論題は、第一次世界大戦後の国民国家体系の成立とマケドニア運動の関わりを主軸に、マケドニア問題が領土問題から少数民族問題へと転化する過程を跡付け、その中でマケドニア運動がいかに多様な思想的潮流を含みつつ展開したかを分析した。なお、一連の研究において申請者独自の視点からキーパーソンの一人と位置付けてきたディミタル・ヴラホフの活動を総括した。
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Research Products
(1 results)