2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15510203
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
堀坂 浩太郎 上智大学, 外国語学部, 教授 (80165597)
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Keywords | 市場統合 / 地域統合 / インフラストラクチャ / メルコスル / 国際関係 / 南米 / 経済協力 / ブラジル:アルゼンチン:ウルグアイ:パラグアイ |
Research Abstract |
研究初年度となる平成15年度は概ね計画どおり実施でき、米国およびブラジル、アルゼンチン、ウルグアイの南米南部共同市場(メルコスル)3カ国の現地調査、資料収集、国内ヒアリングを中心に以下のような知見を得た。 1.2005年をいずれも交渉期限とする米国主導の米州自由貿易圏(FTAA)およびEU・メルコスル自由貿易地域結成交渉の進展を背景に、メルコスルおよびそれを内包する南米の統合意識が一段と強められており、こうした意識を補強するものとしてインフラ統合を志向したプロジェクト形成が具体的に検討される段階を迎えている。 2.推進アクターとして、当該政府のみならず米州開発銀行やアンデス金融公社などの国際機関および多国籍企業を含めた企業が重層的に関係しており、従来なかった官民パートナーシップといった法制整備も進められている。 3.対象地域における経済的比重の大きなブラジルの行動が成否のカギを握っているといえるが、関係各国間の信頼醸成に向け従来見られなかった同国政府の多様な外交的取り組みが明らかになった。 4.地域統合の深化とインフラ統合の先行事例としてEUの経験と理論的側面を整理し本研究に反映させる必要が明確になってきており次年度の研究に織り込む必要がある。 5.南米およびメルコスル諸国におけるインフラ統合の動向については我が国においてほとんど知られていないことが判明した。このため日本経済団体連合会「日本ブラジル経済委員会」で発表(平成15年10月30日)したほか、『世界週報』に「インフラ統合で市場統合を後押し」と題する分析(平成14年2月17日)を執筆した。
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Research Products
(1 results)