2005 Fiscal Year Annual Research Report
ロシアにおけるジェンダ-研究-エスニシティの視点より-
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15510206
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
五十嵐 徳子 天理大学, 国際文化学部, 助教授 (80294156)
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Keywords | タタールスタン / ジェンダー / ロシア / 女性 / イスラム |
Research Abstract |
平成17年度は、本研究の中心であるタタールスタンにおけるジェンダーについての状況を、平成17年夏にタタールスタン医学アカデミーの協力により、カザン市に居住しているタタール人とロシア人合わせて約500人にアンケート調査を行った。現在得られた結果の詳細な分析中であるが、ロシア人とタタール人とでは量的な分析においてはそれほど大きな傾向の違いは見られない。これはすでに文献等から明らかなように、中央アジアのムスリムに比べて、タタール人がロシア人と共生している時間が非常に長く、また地理的にもモスクワに近いというのが大きな理由であると思われる。しかしながら、量的観察では見ることのできなかった側面も、平成17年冬のタタール人女性へのインタビユー調査によって明らかになった。このインタビュー調査は、タタールスタン共和国カザン市においてはカザン医学大学の協力の下に、タタール人女性13人にインタビューをとることができた。アンケート調査では明らかにすることができなかったジェンダーに関する細やかな質問を時間かかけてすることができ、本研究の重要なデータを収集することができた。また、カザン市はロシア人とタタール人が大体同じ割合で居住しており、都市化されたタタール人が多く、ロシア人との結婚も多くタタール的なものが少ない。したがって、今回の調査ではタタール人のみが居住しているタタール人村へと向かいそこでの生活についてインタビューを通じて都市に住むタタール人との違いについても観察することができた本年度の研究成果をさらに分析することにより来年度の最終報告書へとまとめていく予定である。
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