2003 Fiscal Year Annual Research Report
「父親の育児休業」言説のジェンダー分析 -父性の政治の日欧比較-
Project/Area Number |
15510213
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
舩橋 惠子 静岡大学, 人文学部, 教授 (60229101)
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Keywords | 社会学 / ジェンダー / 家族 / 国際比較 / フランス:ノルウェー:スウェーデン / 父親 / 育児休業 / ケア |
Research Abstract |
ちょうど日本では「育児介護休業法」の改正が議論されている時期にあたり、政府、ファミリーフレンドリー企業、労働組合、市民運動などにおいて、政策形成に関わる詳細な情報を収集することが出来た。また、育児に主体的に関わる父親たちのドキュメント本を大量に読み、その多様な価値意識を抽出することが出来た。 父親の育児休業促進の基本的な考え方としては、「平等シェア」型と「性別特性準拠」型があることが確認された。しかし、現代日本の政策形成論議においては、ジェンダーは自覚化されておらず、「少子化」危機感を背景に、家族の絆の強化と過重労働抑制を意図した休暇取得促進のレベルにとどまっている。 また、具体的な父親の育児参加の実態としては、(1)平等シェア型、(2)逆転シェア型、(3)新・性別役割分業型、(4)性別役割分業保存型、があることが見えてきた。この四類型については、現在、英語論文を投稿中である。 次年度は、国内で育児休業取得者の聞き取りを進めると共に、英語論文を携えてフランス・ノルウェー・スウェーデンのジェンダー政策研究者との交流を行い、また国際的な労働・家族・ジェンダー政策の新しい動向を探ることを計画している。
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Research Products
(1 results)