2006 Fiscal Year Annual Research Report
近現代日本における男性性(マスキュリニテイーズ)の構築過程についての学際的研究
Project/Area Number |
15510222
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
細谷 実 関東学院大学, 経済学部, 教授 (10209249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 千香子 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (40202014)
小玉 亮子 横浜市立大学, 大学院・国際総合科学研究科, 准教授 (50221958)
熊田 一雄 愛知学院大学, 文学部, 助教授 (60301628)
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Keywords | 近代史 / 心性 / ジェンダー / 日本 / 男らしさ / マスキュリニティ |
Research Abstract |
近代日本における「複数の男性性の全体像」マッピングの最終取りまとめを行なう時期であった平成18年度においての研究成果は、主に(1)平成15年・16年度に行なった、既存研究の知見の検討を、その後の男性性研究の国内における進展および海外の研究動向と照らし合わせた上で、研究としての検討を再度位置付ける、(2)平成17年度に行った、各研究分担者による資料収集と仮説構築を、(1)と照らし合わせることにより検討する、(3)(1)および(2)を基礎に、4年間の研究成果をとりまとめた研究論文を作成する、などの作業を行った。 主な研究成果としては(A)従来かならずしも接合してこなかった、コンネルの「複数の男性性」論を中心とする社会学的な男性性研究理論を、男性性の歴史研究に導入し、具体的な歴史事象を検討した。その結果、さまざまな歴史的ダイナミクスを、男性性間の競合および協同という観点から記述することに事例的に成功した。(B)トランスジェンダーやサブカルチャーなど、これまで歴史研究上の注目が大きくない分野を、男性性研究の視点から再検討し、新たな位置づけを付与することに成功した。(C)女性性に注目する従来のジェンダー研究では注目されることが少ない保守思想を、さまざまな男性性が生み出される揺藍として検討した、等がある。とりわけ(C)に関しては、今回の4年時限のプロジェクトではまだ端緒的な検討までしか加えきれておらず、今後の研究課題としてさらなる検討をすることが必要であることも明らかになっている。
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Research Products
(8 results)