2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520002
|
Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
直江 清隆 東北大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (30312169)
|
Keywords | 非意図的行為 / 人工物の設計 / 設計の哲学 |
Research Abstract |
本研究は、技術哲学の「経験論的転回」を受け、その倫理的意義の解明に道をつけようとするものである。本年度の研究は、技術における非意図的な意図や結果という問題と、設計(デザイン)という問題を中心として行い、いくつかの試論を公表した。 哲学的に基礎に関する研究としては、東洋大学哲学科編『哲学をつくる』のなかで「状況に<しかるべく>応じた行為」を発表し、技術を念頭に、非意図的な行為とその把握について論じた。 技術哲学・倫理に関しては、新田孝彦他編『科学技術倫理を学ぶ人に』に「技術手の哲学と倫理」を発表した他、Society for philosophy and TechnologyでDesign Culture and Acceptable Riskを報告した(Designing : from philosophy to ethics, from engineering to architectureに所収予定)。これらはいずれも、技術を人工物の設計と技術文化という視点から捉え、その基礎にある二人称的な関係から議論を再構築しようとしたものである。さらに、この見地を一歩進め、東北大学「臨床研究の倫理-被験者保護システムの展望」では、製薬や臨床研究の根底にあるべき二人称的関係についてコメントした。 神戸大学の論理・情報・設計に関する神戸シンポジウムでの「設計、人間システム、責任」をはじめとする報告では、人工物の設計の哲学に着目し、人工物の志向性論から倫理的の解明に道をつなげようとした。また、この視点から日本科学哲学会では「設計=デザインの哲学」、第49回科学技術社会論研究会では「Political Artifacts and their Significance」をそれぞれ統括した。 以上の成果をふまえ、行為における非意図的なもの、人工物の設計、設計を支える文化(とくに組織)この三つの視点を統合するべく、技術の哲学の進展を図りたい。
|
Research Products
(4 results)
-
-
-
[Book] 哲学をつくる2005
Author(s)
東洋大学哲学科(編)
Total Pages
248
Publisher
知泉書館
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
-