2005 Fiscal Year Annual Research Report
知識と実践-知識論における「実践論的転回」の意義と射程
Project/Area Number |
15520007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村田 純一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40134407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 拓司 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (30262421)
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Keywords | プラグマティズム / 技術倫理 / プロフェッショナリズム / 実験器具 / 倫理規定 / ユニバーサルデザイン |
Research Abstract |
本年度は本研究の最終年ということもあり、最初の年から取り上げてきたプラグマティズムの知識観の検討をおもに技術哲学との関連で行うとともに、技術倫理に関するまとまった見方をえることを目指した。具体的な成果としては、(1)デューイ的観点を展開することによって、科学と技術、技術と倫理の関係に関して、新たな視点をえることができた。知識の本性に「応用」が含まれていることによって、科学と技術の関係も通常の理解がむしろ逆転されること、また、問題解決の手段として見る限り、技術と倫理は密接な関連の中にあることなどが明らかとなった。(2)現代の多くの「技術倫理」「技術者の倫理」では、もっぱら専門家としての倫理が強調されるのに対して、必ずしもプロフェッショナリズムを強調しない仕方での技術倫理の可能性を探った。具体的には、限定的な意味で専門職の役割を理解したとしても、専門家倫理の中で中心的役割を果たすいわゆる「倫理規定」の意義を理解できること、さらには、バリアフリーやユニバーサルデザインといった最近話題となっているデザイン論に関しても、専門家主導のデザインではなく、参加型のデザインのひとつのあり方として理解すべきであり、またそのように理解できることを示した。 また、岡本は、実験器具の歴史的研究の一環として、オランダで開かれた国際セミナーに参加するとともに、その研究を具体的な展示作業を通して広く一般の人々への理解に供することを行った。また、これらの実験器具の研究をもとに、科学史へもたらされる新たな知見を探った。
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Research Products
(3 results)