2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520021
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
黒川 勲 大分大学, 教育福祉科学部, 助教授 (20264319)
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Keywords | スピノザ / 延長 / コナトゥス / 実体性 / デカルト / スアレス |
Research Abstract |
交付申請書の「研究の目的・研究計画」に対応した研究実績の概要は以下の通りである。 I ホッブスの物体論とスピノザの物体論との比較,及びコナトゥスの意義の抽出については,ホッブスの物体論の精査と文献・先行研究の資料収集に努め,一方スピノザ哲学の成立史に関係する文献・先行研究を網羅的に収集した。その結果,ホッブスのスピノザへの影響を完全には明らかにしきれていないが,ホッブスの自然主義的把握は「力」・「権力」に関して全体的な影響をスピノザに与えている,あるいは関連があると考えられる。それとともに,スピノザの有機的に運動を説明する独自の自然主義的把握の解明に課題が指摘できる。 II デカルトの物体的世界とスピノザの物体的世界の構成に関する比較,及びコナトゥスの位置付けについては,デカルトの物体論の精査により,デカルトの物体的世界の本質を抽出し,スピノザのそれと比較考察した。その結果,デカルトの物体論は物体の本質を不完全性のもとに位置づける伝統的な把握であるが,スピノザの物体論は延長に実体性・完全性を認める特徴的なものであることが明らかになった。 III スアレスにおける実体的形相のスピノザの物体論との連関の検証については,Suarez Opera Omniaの物体論・運動論に関係して「完全性」・「無限性」の該当箇所の翻訳を行い,スアレスの形而上学的枠組みの解明に取り組んだ。
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Research Products
(1 results)