2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520038
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
神塚 淑子 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (20126030)
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Keywords | 天尊像 / 老君像 / 唐代道教 / 女性の道教信仰 / 司馬承禎 |
Research Abstract |
唐代道教関係石刻史料の研究の一端として、今年度は、唐代に作られた天尊像(元始天尊像)・老君像(太上老君像)の銘文のデータ入力を行った。唐代に作られた天尊像(元始天尊像)・老君像(太上老君像)の銘文研究の対象となるのは、像が現存するもの、拓本だけが残っているもの、金石関係の文献に銘文だけが残っているものに分かれる。今年度は先行研究を参考にするとともに、近年の調査報告にも目を配って、できる限り網羅的に銘文の収集・整理を行い、そのデータをパソコン入力した。銘文研究の目的は、思想的分析を行うことにある。像が造られた状況に応じて銘文はどう変化するのか、地域的な違いは存在するのか、あるいは、像の種類(天尊像か老君像)は銘文の内容とどう関わっているのか、六朝時代の道教像と比べてどのような違いがあるのかなどの分析的研究を行うための基礎作業を今年度は重点的に行った。 唐代道教関係の石刻史料としては、墓誌銘も当然重要な対象となる。これについては史料の網羅的な収集・整理は行っていないが、女性の道教信仰を示す墓誌銘の記述がいくつか見えることについては、近年、中国の研究者による興味深い研究が出た。私もこれについては関心を持っており、若干の調査を行った。 来年度は、今年度の研究を土台にして、唐代の天尊像・老君像の銘文についての思想的分析を行う。また、玄宗期の道教界の領袖で『坐忘論』など著して思想史的にも重要な業績を残した司馬承禎に関する石刻史料の収集・整理を行う予定である。
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Research Products
(1 results)