2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520038
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
神塚 淑子 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (20126030)
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Keywords | 唐代道教 / 天尊像 / 老君像 / 司馬承禎 / 道観 |
Research Abstract |
唐代道教関係石刻史料の研究の2年目にあたる今年度は、昨年度におこなった唐代の天尊像・老君像の銘文のデータ入力を受けて、その制作年代順による整理、各像についての先行研究の綿密な検討をおこなった。あわせて、唐代道教造像の特徴を考察するためのひとつの材料として、隋代の天尊像・老君像についての整理・検討をおこなった。隋代の道教造像についての宗教史的考察については、近日中に論文の形でまとめることを予定しているが、隋は三十数年という短い期間であったにもかかわらず、比較的多くの道教像が造られており、南北朝期の道教像と同様、死者供養のために造られた家単位のものが多くを占めている。それに対して、唐代になると、死者供養のためのものに加えて、道観の内部に置く天尊像・老君像を造ったことを示す碑文や、天子の勅命を受けて道士が道教儀礼をおこない、その儀式の一環として道教像が造られたことを示す碑文などが見られるようになる。これは、道教を重視した唐代の時代状況をうかがうことのできる興味深いものである。 今年度の研究実績としては、もう一つ、玄宗期の道教界において大きな力を持っていた道士司馬承禎に関連する石刻史料を収集し、データ入力をおこなったことが挙げられる。司馬承禎に関連する石刻史料として、「賜白雲先生書詩並禁山勅碑」「天台山桐柏観碑」「貞一先生廟碣」その他がある。これらは従来ほとんど注目されていないようであるが、文献資料だけでは知り得ない司馬承禎の姿、ひいては、唐代社会における道教の実態を解明する手がかりとなるものと思われる。その内容分析については来年度に期することにしたい。
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Research Products
(1 results)