2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520040
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
柴田 篤 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 教授 (00117128)
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Keywords | 天主実義 / 天主教 / マテオ・リッチ / イエズス会 / 明末 / 天主 / 霊魂 / 儒学 |
Research Abstract |
『天主実義』が江戸期のキリスト教批判に対して与えた影響について、林羅山、新井白石、大橋訥庵を中心にして検討を行い、平成15年7月5日に中央大学校(ソウル)において、「江戸の儒学者とキリスト教」という題目で研究発表を行った。 『天主実義』をはじめとする明清期の天主教関係書に関する調査を実施し、その種類、版本、影響などに関する検討を行い、平成15年7月12日に二松学舎大学東洋学研究所において、「中国明清天主教文献について」という題目で研究発表を行った。 『天主実義』における中・西対話の内容に関して様々な角度からの検討を行い、平成16年2月21日に九州大学文学部において、「マテオ・リッチと中国-『天主実義』に見る対話の可能性-」という題目で研究発表を行った。 『天主実義』の諸版本について、日本・韓国・台湾の研究機関を中心にして、所在調査を行った。それらの調査をもとにして、出版過程、版本の種別、初刻の際に附された序文等について検討を行い、その成果を「『天主実義』の出版」という論文にまとめ、平成16年3月に『哲学年報』誌上に発表した。 『天主実義』全篇の現代日本語による翻訳と、用語・典拠などを中心とした詳細な注釈を完成させ、出版準備を行った。次年度において『天主実義』の訳注書を出版する予定である。 『天主実義』及び明清期中国天主教に関する種々の文献を収集して、従来の研究の在り方について再検討を加えると共に、新たな研究視点を確立するための準備を行った。
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Research Products
(1 results)