2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520064
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Research Institution | Toyo Eiwa University |
Principal Investigator |
岩田 和子 (渡辺 和子) 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 教授 (00223397)
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Keywords | メソポタミア神話 / ギルガメシュ叙事詩 / 異界往還 / 鏡像関係 / 死の受容 / 悲嘆 |
Research Abstract |
17年度の実績として、メソポタミア神話に関するいくつかの考察を行い発表したことが挙げられる。メソポタミアに古くから伝わる神話および叙事詩であっても、それらの多くは紀元前7世紀にアッシリア王宮の書記によって書写され、文書庫に収められたものである。そのように少なくとも1500年にわたって伝承され、さまざまな形でアッシリアに受け継がれた神話伝統から、主に次の2点について論じた。 1.『イナンナの冥界下り』、『イシュタルの冥界下り』、『ネルガルとエレシュキガル』、『アダパ』、『エタナ』、『ギルガメシュ叙事詩』などの作品が内包している神話的要素を分析した。特に「異界往還」、「鏡像関係」、「死の受容と悲嘆」という側面に光をあて、新たな知見を得た。たとえば、これまで失敗したイニシエーションの物語と考えられてきた『ギルガメシュ叙事詩』も、広い神話的文脈に照らしてみると「異界往還」、「死の受容と悲嘆の完成」という点においてイニシエーションの成功を描き出していることがわかる。 2.『ギルガメシュ叙事詩』におけるギルガメシュとエンキドゥの出会いに、また『ネルガルとエレシュキガル』におけるネルガルとエレシュキガルの出会いにも、正反対の者どうしが反発を超えて強く結びつくといういわば「鏡像関係」が見られることを新たに指摘した。
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Research Products
(3 results)