2004 Fiscal Year Annual Research Report
ユダヤ・キリスト教霊性の源流と禅仏教との接点をめぐる文献学的比較研究
Project/Area Number |
15520075
|
Research Institution | Notre Dame Seishin University |
Principal Investigator |
須沢 かおり ノートルダム清心女子大学, 文学部, 助教授 (50171195)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
マウツ ユエルグ 上智大学, 外国語学部, 教授 (20165632)
|
Keywords | ユダヤ・キリスト教 / 神概念 / 苦しみ / 禅仏教 / ヨーロッパ中世末期 / 神の本質 / 霊性のルーツ / 文献学的比較研究 |
Research Abstract |
今年度は、ユダヤ・キリスト教の霊性の文献と禅仏教の古典文献(特に、日蓮、道元のもの)のテクスト解釈、ならびに、両者に類似するテーマを抽出し、対比・比較を具体的に進展させた。ユダヤ教の古典文献を専門とする海外共同研究者のラインハルト・ノイデッカーは、ユダヤ教における神の概念、特に神の実在、苦しみの問題を取り上げた。中世キリスト教神秘思想を専門とする須沢かおり、ユエルグ・マウツは、ヨーロッパ中世末期(14世紀)における霊性を取り上げた。政治的、宗教的な不安という実存的な動機から死、苦しみ、受難にアクセントをおく霊性(ゾイゼ、タウラー・、ルドルフ・フォン。ザクセン、エックハルト)が開花した点に注目し、その霊性のルーツがユダヤ教の神の概念とどのように結びつくのかを探り、綿密な文献学的比較研究をおこなった。さらに、神の概念、苦しみ、神の本質(神性)についての理解は禅仏教における無の思想、日本の鎌倉仏教が台頭したモチーフに接点があることをつきとめ、この点についても類似するテクストを抽出し、比較検討した。これらの研究成果は論文と、ドイツにおける研究討議・発表によってさらに進展をみた。
|
Research Products
(4 results)