2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520095
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
大西 広 武蔵大学, 人文学部, 教授 (30011307)
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Keywords | 雪舟 / 言語とイメージ / 文字資料 / 画論 / 画譜 / 絵手本 / 序文・跋文 / 絵入り版本 |
Research Abstract |
本研究は次の5つのステップを踏まえながら4年間で行うものである。(I)史料の総合的探索、(II)収集史料の読解および分析、(III)史料のヴォキャブラリーおよびイディオム分析、(IV)文献資料と絵画作品の相関関係、(V)基礎理論研究。本年度は、前年の試験的調査をふまえて、主として江戸時代に雪舟がどのように理解されていたかについて、上記(I)から(IV)までの諸段階の調査研究を行った。江戸時代の研究資料として最も重要なのは、画史・画論と一般に呼ばれる文献資料と、画譜・絵手本と通称される絵入り版本である。今年とくに研究対象としたのは後者であるが、とくに、それら多数に上る版本に付された序文・跋文に、しばしば雪舟に関する記録、評価、歴史的位置づけにかかわる言説が含まれる。そこで現在、各地の図書館、文庫等に蔵されるそれら絵入り版本(今年度は135件)をコピーによって収集し、多くは漢文体、くずし字で記された序文・跋文を読解する作業を行った。この作業はさらに継続し、読解から分析へと研究を深めてゆく必要があるが、そのためには漢文史料の読解・分析のための多くのトゥール(いわゆる漢文工具書)を必要とする。そこで今年度の補助金によって、辞典、目録、索引等の関連工具書を購入した。来年度への継続研究に活用するつもりである。上記の今年度の成果は、一つは「画譜・絵手本序跋集」として冊子体にまとめた。これは近く研究室のホーム・ページに載せる予定にしているまた同じ成果を踏まえて、「絵手本のアーカイヴ」と題し、11月25日に「画譜・絵手本シンポジウム」において口頭発表を行った。
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Research Products
(4 results)