2004 Fiscal Year Annual Research Report
自然・風景・環境--環境芸術を手がかりにした環境美学の構築
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15520101
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Research Institution | Takaoka National College |
Principal Investigator |
伊東 多佳子 国立大学法人高岡短期大学, 産業造形学科, 助教授 (00300111)
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Keywords | 環境美学 / 環境芸術 / ロマン主義の美学 / ロマン主義の自然哲学 |
Research Abstract |
今年度の研究は以下のような成果をあげた。環境芸術を手がかりにした環境美学の理論の構築を目的とする本研究は3年計画であり、全体の研究計画は、環境美学の理論研究と環境芸術に関わる個別の実証研究という2本の柱にそって実施される。二年目にあたる今年度は、研究計画にそって、初年度の研究成果をふまえ、さらに環境芸術に関わる理解を深め、その現状を認識するために、英米の環境芸術に先導される形で欧州の各地にも作られることになった環境芸術の実地野外調査を行った。環境芸術作品の調査を行った場所は、デンマークのTICKON(トラネカー自然芸術国際センター)、オランダのエメンにあるソンズビーク国際美術展跡地である。また同時に英国カンブリア州のシープフォールズ・プロジェクトの現地調査も行った。この現地調査により環境芸術に関わる詳細な分析・検討を行ったが、とりわけ環境芸術を取り巻く環境、すなわちその地域の特殊な事情の中で、いかに自然と人間の共生という理念を実現し、経年変化の中でどのようにその役割を果たしてきたかについての考察を深めることができた。なかでも英国のシープフォールズ・プロジェクトはミレニアムのために企画された最新の環境芸術のプロジェクトであり、これにより現在の環境の中でいかに環境芸術がその理念を実現しているかという好例を実際に確認することになった。同時に英米の最新の環境美学に関わる文献を精読することで、現代の変貌しつつある自然観との関わりに重心を置きながら自らの構想である環境美学の論理をさらに深めることができた。
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