2003 Fiscal Year Annual Research Report
中世末期軍記圏の基礎的研究-天草・島原の乱関係軍記を中心として-
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15520131
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Research Institution | Ibaraki Women's Junior College |
Principal Investigator |
武田 昌憲 茨城女子短期大学, 国文科, 教授 (00221375)
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Keywords | 島原の乱 / 島原記 / 戦国軍記 |
Research Abstract |
1、天草出張調査中に、『水野家島原記』の影印と翻刻が入手された。本作品の概要を兼ねて、「福山藩水野家と「島原の乱」覚え書き-『水野日向守覚書』『水野家島原記』のことなど」(『茨女国文』16号、平成16年3月)という小考を著わすことができた。 2、国立公文書館の内閣文庫所蔵の天草・島原の乱関係資料が大量にある(約50作品)ことがわかったので、調査を開始した。『山鳥記』(2種)を閲覧調査し、複写をした。今後の翻刻作業に備えたい。また、研究に重要だと思われる作品も三種複写することができた。あわせて翻刻を期したい。 3、基礎的作業として軍記の現状を把握するため、国文学研究資料館を利用。その成果の一部を『文学・語学』178号(平成16年3月)の学会動向(中世・散文)に生かすこともできた。 4、国文学研究資料館所蔵のマイクロフィルムを活用して天草・島原の乱関係資料を探ることができた。『国書総目録』にも掲載されないものも多く、内閣文庫と同様、今後も調査していく必要がある。 5、翻刻されている天草・島原関係の作品の読み込みを始めた。『末鑑(すえかがみ)』という予言書が多くの作品に共通して乱の前兆として各作品に指摘されている。中世軍記の特徴である予兆記事との関係で注目された。また富岡城代三宅藤兵衛の討ち死に記事、原城一番乗りの状況が諸作品により異なるところがある。諸大名側の視点として注目された。また、購入したパソコンによるインターネットの検索による関係文献資料の検索は有効であった。
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Research Products
(1 results)